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  • 政府は米軍基地問題と沖縄振興策の「リンク論」を容認へ
  • 政権は「基地反対でも予算が取れると思っている」と問題視
  • 狙いは翁長知事へのけん制。復帰以降続く沖縄振興の大転換となる

 【東京】政府は3日までに、沖縄振興を米軍基地問題と切り離して実施する従来の方針を、見直す方向で調整に入った。名護市辺野古の新基地建設など、基地政策の進展と沖縄振興を直接的に関連づけて判断する「リンク論」を事実上、容認することになる。具体的には、首相官邸を中心に2017年度沖縄関係予算の大幅削減を検討しており、沖縄関連の税制優遇制度も延長を厳格に判断する見通し。新基地建設に反対する翁長雄志知事をけん制するとともに、県政と経済界を分断する狙いもあるとみられる。

 政府が「リンク論」を採用すれば、復帰以降続いてきた沖縄振興政策の大転換となる。

 政府はこれまで沖縄振興の根拠を、本土との格差是正や、沖縄の経済発展を通じて日本の経済成長のエンジンとするなどと位置づけ、「基地の見返り」との認識を否定してきた。

 一方、安倍晋三政権は、知事が辺野古の新基地建設阻止を掲げていることに「基地を認めなくても予算を取れると思っている」(政権幹部)と問題視。

 3日の組閣を前に、内閣府沖縄担当部局の幹部が政府高官に、沖縄振興と基地問題を従来通り切り離すか確認したところ、高官は「それでは駄目だ」と否定的な考えを示した。

 沖縄関係予算は、内閣府沖縄担当部局が各省庁の予算を一括計上しているが、他県では「沖縄だけが通常予算と別枠で振興予算を得ている」との誤解がある。

 こうした認識から、知事は「沖縄関係の予算が突出しているわけではない」と発言しているが、政権は「公共事業の高率補助などの優遇措置を無視している」(幹部)と不快感を強調。

 沖縄関係予算のうち、未執行率の高さが問題になった一括交付金のソフト関連予算を大幅に削減したり、本年度末で期限が切れる特例制度の延長基準を厳格化したりするなど、県への対抗措置を講じる考えだ。