2020年東京五輪の追加種目として、空手の実施が正式に決まった。国際オリンピック委員会(IOC)が、リオデジャネイロで開いた総会で、野球・ソフトボールなどとともに承認した。

 4年に1度のスポーツの祭典で、沖縄を発祥の地とする空手の競技が行われ、世界へと発信される。想像するだけで胸が躍る。

 会見した県空手道連盟の照屋幸栄会長は「沖縄という小さい島から空手が世界に発信され、世界の空手になった」と喜びを語った。連盟によると、世界の競技人口は1千万人、愛好者は1億人に上る。五輪採用への挑戦は、過去3度、落選しただけに待ちに待った朗報だ。決定を心から喜びたい。

 東京五輪の大会組織委員会案では、1対1で対戦する「組手」の3階級と、演武の出来栄えを競う「形」を日本武道館で実施する。

 五輪採用決定は早速、日々鍛錬する県選手の刺激にもなっている。男子個人形で14年世界選手権覇者の喜友名諒選手(26)は「オリンピックに出場し、金メダルを取るという夢に近づけてうれしい」と述べ、精進を誓った。空手道・県少年少女選手権大会の形で6年連続優勝の田場琳奈さん(11)は「オリンピックと世界大会での優勝が夢。もっと練習していきたい」と目を輝かせる。

 トップレベルの選手に伸び盛りの若手らのこれからの切磋琢磨(せっさたくま)に期待したい。4年後の大舞台での県勢の活躍が今から楽しみだ。

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 翁長雄志知事は、正式種目決定を受けたコメントで、沖縄での予選開催や事前合宿の誘致、五輪開会式での空手・古武道の披露などを目指す考えを示した。実現すれば発祥地である沖縄も広くアピールできる。関係機関に積極的に働き掛けてほしい。

 県内では、沖縄の文化遺産としての空手の保存・継承・発展に向けた動きが加速している。

 6月には、県指定無形文化財「沖縄の空手・古武術」の保持者による保存会が発足した。

 県は4月に空手振興課を新設し、来春には沖縄空手会館が開館する。道場施設が整備され、空手・古武術の歴史や武具の展示も計画され、海外から修行に訪れる愛好者・競技者らを受け入れる環境が整う。

 こうした空手振興の機運を、東京五輪につなげるよう期待したい。今回の種目追加は1大会に限られており、東京五輪での盛り上がりが「その後」に影響するとみられるからだ。

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 リオ五輪が5日(日本時間6日早朝)開幕する。ロシアの国家主導のドーピング問題などが影を落とす一方、IOCが難民選手団を結成したことに注目したい。参加する10選手は、祖国を逃れた人々にとっての「希望のシンボル」だ。

 県勢は、自転車ロードレースの新城幸也(31)、内間康平(27)、重量挙げの糸数陽一(25)、女子バレーボールの座安琴希(26)の4選手が挑む。五輪という晴れの舞台を楽しみ、力を出し切ってほしい。