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  • 辺野古訴訟で県が答弁書を出す前に高裁が争点整理案提示していた
  • 民事の争点整理は訴状と答弁書の提出後に行うのが通例だという
  • 県関係者は「違法確認訴訟は代執行訴訟とは別」と首をかしげている

 福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)が、沖縄県側が答弁書を提出する前に「辺野古違法確認訴訟」の争点整理案などを国と県側に提示していたことが5日までに分かった。民事訴訟の争点整理は、原告の訴状と被告の答弁書の提出後に裁判所が行うのが通例とされ、県側関係者は裁判所の対応に疑念を深めている。

 同支部が提示したのは代執行訴訟の「主な争点」と「違法確認訴訟の訴状提出段階での争点整理案」。「主な争点」は先月22日の国の提訴後、同支部であった進行協議で多見谷裁判長が双方に提示。翁長雄志知事の取り消し処分を是正しないことが、代執行の要件を満たすのかなどが記されている。

 「争点整理案」は1日の県側答弁書の提出前に、双方に提示された。「翁長雄志知事の辺野古埋め立て承認取り消しは、仲井真弘多前知事の判断の瑕疵(かし)が前提か」など、取り消しの要件について双方に確認を求めている。

 県側関係者は「違法確認訴訟は代執行訴訟とは別の訴訟。代執行の争点を今ごろ出す必要があるのか」と首をかしげる。別の関係者は「答弁書を出す前に、訴状だけで争点整理をした訴訟は聞いたことがない」と驚く。

公平疑われかねない

森野俊彦弁護士 元福岡高裁部総括判事

 通常の民事事件では、訴状と答弁書が出そろうまでは原告、被告の主張を確認できず、裁判所は争点を整理できない。

 ただ、今回の訴訟は代執行訴訟のときと同じ裁判長で、これまでの経緯を分かっている。一連の主張を踏まえ、ある程度争点を想定することが「絶対におかしい」とまでは言えない。

 問題なのは、争点整理の中身だ。国側の主張に沿った形で争点整理をされれば、県側は考えをいきなりあしらわれたように感じ、訴訟指揮に疑念を抱くだろう。裁判所は中立公平であるべきで、「手回しよく争点設定をした」と思われないようにするべきだ。