沖縄県今帰仁(なきじん)村今泊区の今帰仁城跡近くに住む仲尾次ヨシ子さん(84)は、県内で唯一、直系の長女がノロ(祝女)を継承する世襲制度が残っている今帰仁ノロ殿内で、3代目代理ノロとして祭祀(さいし)をつかさどってきた。

神棚の前に座る神衣装姿の3代目代理ノロ・仲尾次ヨシ子さん=7月16日、今帰仁村今泊・今帰仁ノロ殿内

2代目代理ノロでヨシ子さんの義母、故仲尾次マツさんを紹介する1963年9月14日の沖縄タイムス紙面

神棚の前に座る神衣装姿の3代目代理ノロ・仲尾次ヨシ子さん=7月16日、今帰仁村今泊・今帰仁ノロ殿内 2代目代理ノロでヨシ子さんの義母、故仲尾次マツさんを紹介する1963年9月14日の沖縄タイムス紙面

 6代目本ノロが若くして病気で亡くなって以降、その母親や娘が代理ノロを務めてきた。2代目代理ノロでヨシ子さんの義母、故仲尾次マツさんは1963年9月14日の沖縄タイムスに掲載された。ヨシ子さんは写真を眺め「(長女は嫁いだので)私がノロになったのは自然なこと。義母の後ろについて祈りを覚えた。大変と思ったことはないさ」と笑顔で振り返る。

 マツさんが102歳で亡くなった6年前、ヨシ子さんは3代目として正式に神衣装を羽織った。だが人々のために祈る神職を守り伝えてきたヨシ子さんも最近は足腰が弱くなり、祭祀などで祈ることが難しくなってきた。ヨシ子さんの5人の娘は今後を考え、琉球史やノロについて文献などを調査。6代目本ノロから、最初の代理ノロになる際に途絶えたのではとされるグイス(祈ることば)と神扇を復活させた。

 幼い頃から、大勢の人々が祈りを求めて、わが家である今帰仁ノロ殿内をひっきりなしに訪れる様子を、娘たちは見て育った。祖母のマツさんが祈る姿は「美しかった」と口をそろえる。

 姉妹は7月2日、今帰仁ノロ殿内火の神でノロの歴史勉強会を開き、40人が参加した。姉妹は「代々受け継がれてきたノロ殿内を存続させていかなければ」と語った。(赤嶺幸代通信員)