天皇陛下がビデオメッセージで「生前退位」の実現に強い思いを示したことについて、沖縄県内各地では「ゆっくり休んでほしい」などと陛下の体調を気遣う声が聞かれたほか、平和を願う国民の象徴として役割を果たしてきたことを評価する反応があった。

各局が一斉に報じた天皇陛下のビデオメッセージを映す家電量販店のテレビ=8日午後、横浜市港南区のヤマダ電機LABI上大岡店

 南城市の山入端嘉弘さん(80)は「戦前、教室に掲げられた陛下の写真の前で直立不動になった記憶がある。時代の流れを感じる。憲法で位置づけられた『象徴』が、今後どのように変わるのだろうか。何とも言えない」と話した。

 テレビ放送を見ていたという沖縄国際大学大学院2年の島袋友寛さん(23)=読谷村=は「80歳を超えても外国まで足を運び公務している陛下はすごい。十分すぎるほど仕事をしているので次の世代にバトンを渡して、ゆっくり休んでほしい」とねぎらった。

 石垣市のバスガイド、新城藍さん(38)は、ビデオメッセージで離島への思いが語られたことに「沖縄を気遣う感じもあってうれしかった」とし、「陛下は平和への思いをよく語っていた。政治に関与せずに、日本を、平和を思う無垢(むく)な心はこれからも必要だ」と話した。

 那覇市の牧志渡さん(70)は「陛下の意向は、年齢的なことが一番大きいのだと思う。外国での公務、被災地への訪問など、国民のために務めを果たしてくれた」と語った。

■慰霊訪問に感謝

 天皇陛下は2014年6月、那覇市の対馬丸記念館を訪問し、遺族らと懇談した。対馬丸記念会の高良政勝理事長(76)は、遺族や生存者15人と面談し一人一人から丁寧に話を聞く天皇、皇后両陛下の姿に「遺族に寄り添う気持ちが伝わってきた」と振り返り「被災地訪問など精いっぱい仕事をされてきた。本当に立派だ」と話した。

 陛下は15年4月には慰霊のためパラオを訪問。沖縄パラオ友の会の田中順一代表(83)は「激戦で苦しい思いをしてきた南洋や沖縄で慰霊を続けてきたお気持ちに感謝している」。8日は友の会の模合があり、参加者の中から「この辺でお休みになってもいいのではないか」との声も上がったという。