十数時間かけて山道を歩き、たどり着いた目の前にそびえる縄文杉は圧巻だった。以前訪れた屋久島で経験した山歩き。木々の息吹や、湧き水、澄んだ空気が全身に染みた

▼沖縄ではあまりなじみのない山だが、祝日ともなれば意識したくなる。山に親しみ、山の恩恵に感謝する日として、今年から「山の日(8月11日)」が導入された

▼山といえば、日本人最年少で世界7大陸の最高峰登頂に成功した現役大学生、南谷(みなみや)真鈴(まりん)さんの偉業が記憶に新しい。テレビ企画の懸賞生活で有名になった福島出身のなすびさんも、エベレスト登頂に成功し、福島の復興を訴えた

▼南谷さんは同世代に「諦めないで夢に向かって」とメッセージ。なすびさんは、諦めずに努力する意味を被災地に伝えたいと語った。大自然への驚異と畏敬の念が、心身を頂へといざなうのだろうか

▼山の日制定に取り組んできた団体が訴えたのは、美しく豊かな自然を守り、次世代に引き継ぐこと。山々は心身の健康に欠かせない財産であること。環境破壊や多発する遭難事故などの課題にも向き合う契機となることを願う

▼一方、緑深い東村高江。ヘリパッド建設予定地では、国が無許可で立木を伐採し、機動隊や民間警備員、車両が列をなす異様な光景が続く。求められるのは森林の恵みに感謝する行動ではないのか。(赤嶺由紀子)