5~7日に琉球大学などであった「歴史教育者協議会第68回全国大会」で、名護市立久辺中学校元教諭の喜屋武幸さんが「国策に翻弄(ほんろう)される地域の生活と教育」をテーマに報告した。同中には、新基地建設が計画されている名護市辺野古に住む生徒らが通う。喜屋武さんは、この問題によって子どもたちが「自分の意見を言えないストレスにさらされ、地元のことを学ぶ機会も奪われている。抑圧された状況を早くただすべきだ」と訴えた。

名護市辺野古の新基地建設問題が子どもに与える影響を説明する久辺中元教諭の喜屋武幸さん(右)=6日、西原町・琉球大学

 喜屋武さんは、2015年3月まで3年間、同中で技術家庭科を教えていた。問題が長期化し、政府が地元を懐柔する狙いで公金を支出しているとみられていることなどから、喜屋武さんは「地元の人は賛否が言えず、中学生でさえ基地問題を語ると人間関係が悪くなる」と説明。漁業補償などを巡り、「おまえたちばかり得して」などと生徒が“小競り合い”する光景を目にしたことがあるという。

 問題を学ぶ機会や議論する場がないことから、「間違った情報をうのみにし、矛盾に満ちた捉え方をしている生徒もいる」と打ち明け、「地元でこれだけ大きな問題が起こっているのに、学べないのは恐ろしい。基地のない地域を描けないようになっていることも最大の被害と実感している」と話した。

 さらに、「無批判な状況が続けば、この文化が再生産され、問題解決にも影響する」と危機感を感じ、無記名で基地建設への意見を出し合う授業を開いた、と報告。「学ぶことは、自由になること、問題に向き合うことだと思う。学校は、子どもの学ぶ権利を保障し、不正義に負けない使命感と自覚を持つべきだ」と呼び掛けた。