【仲地清通信員】琉球王府の外交文書「歴代宝案」の刊行を担当する沖縄県教育庁文化財課資料編集班の漢那敬子専門員らは10日、台湾の中央研究院を訪れ、中国と琉球との関わりを研究する研究者らに同文書の編集について調査協力などを依頼した。台湾で琉球史、または中国-琉球関係史を専門とする研究者ら約30人が参加した。

「歴代宝案」刊行の編集協力を依頼する沖縄県教育庁の漢那専門員と琉大の赤嶺守教授ら=10日、台湾

沖縄県からの依頼について説明を聞く台湾の研究者ら=10日、台湾

「歴代宝案」刊行の編集協力を依頼する沖縄県教育庁の漢那専門員と琉大の赤嶺守教授ら=10日、台湾 沖縄県からの依頼について説明を聞く台湾の研究者ら=10日、台湾

 漢那専門員は「歴代宝案は、15世紀から19世紀にかけての琉球王府の外交文書だが、関東大震災や沖縄戦で散逸焼失した。その写本が台湾大学に保管されており、それらを基にした校訂本15冊の刊行が今年中に完成する」と説明。「今後は日本文での訳注本や、世界の研究者が利用しやすいようにデジタル化し、ネットで公開したい」と沖縄県の計画を紹介した。

 また同行した琉球大学の赤嶺守教授は、台湾に40万、中国には1千万の朝貢関係の公文書があり、琉球関係に関してはすでに中国の研究者が7冊の本にまとめていると説明。「今、故宮の協力を得て、台湾にある琉球関係の公文書を収集しており、中央研究院でも調査したい。これらの文書と照合し歴代宝案の注釈本が完成した後は、世界遺産への登録申請も視野に入れている」と将来的な構想を述べた。

 今回の懇談会の運営に協力した中央研究院の朱徳蘭研究員は台湾における中国-琉球関係史研究の第一人者。その他、参加した研究者らは協力を約束していた。