退役軍人らでつくる米市民団体「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」がカリフォルニア州で開いた第31回年次総会で、東村高江のヘリパッド(着陸帯)建設中止と、辺野古新基地の建設中止を求める二つの決議を満場一致で採択した。

 VFPは8千人を擁する退役軍人最大の団体で、120支部がある。琉球沖縄国際支部(ダグラス・ラミス会長)から提案された。二つの決議では会場から拍手がわき起こったといい、米世論の喚起につながることを期待したい。

 東村高江のヘリパッド建設中止決議では「日本政府が沖縄の人々に対するあからさまな差別待遇に米軍が加担していることを恥じ、激しい憤りを感じている」と強調。米政府に、計画の放棄を日本側に伝達するよう求めている。

 日本政府が参院選で示された民意を無視。全国から機動隊を投入し、住民を排除して工事を強行していることを非難するものだ。

 辺野古新基地建設の中止を求める決議には、米軍普天間飛行場から第1海兵航空団やオスプレイを全機撤退させることなどを盛り込んでいる。

 辺野古新基地建設の中止決議の中でVFPの各支部に対し、それぞれの自治体で同決議を採択するよう呼び掛けている。沖縄との連帯の輪を広げていきたいものだ。

 米軍再編で在沖米海兵隊のうち9千人がグアムに移転することが決まっている。沖縄に残る実動兵力は2千人規模で編成する第31海兵遠征部隊(31MEU)だけである。そもそも辺野古基地を建設しなければならないのかが疑問であり、当然の決議だ。

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 決議で注目したいのは「米国がこの恥ずべき反民主的で差別的な行為に加担」などと表現し、当事者性を明確にしていることだ。

 基地問題で米国政府は沖縄からの訪米要請団に「日本の国内問題」と答えるのが常だが、基地を使用しているのは米軍である。

 心強いのは昨年9月にカリフォルニア州バークレー市議会、同年12月にはマサチューセッツ州のケンブリッジ市議会が辺野古新基地建設の反対決議をしていることだ。

 組合員10万人以上が加入する米サンフランシスコ労働協議会も今年6月に反対決議をしている。

 現地の沖縄県出身者や沖縄の基地問題と長い関わりを持つ米国人の尽力、「島ぐるみ会議」の訪米の成果である。

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 高江のヘリパッド建設問題は国内でも正確な情報が伝わっているとはいえない。米軍北部訓練場の過半の返還が日米合意され、その後に米側がオスプレイ配備を認めたにもかかわらず、日本政府はひた隠しにした。夜間の騒音が激増し安眠を妨げ、生物多様性に富む「ヤンバルの森」が受ける影響についても説明責任を果たしていない。

 県は2015年からワシントン事務所を開設している。沖縄と米政府、議会、シンクタンク、民間団体をつなぐ要とならなければならない。これまでの活動を点検した上で、充実させるためには何が必要か検証してもらいたい。