思わずガッツポーズをしてしまった。リオデジャネイロ五輪の男子テニスシングルスの3位決定戦で、約1世紀ぶりにメダルを日本にもたらした錦織圭選手。粘り強いプレーが胸を打った

▼快挙を支えた一人がコーチとして帯同した宮古島市出身の高田充さん(16日付本紙)。テニスをかじった筆者にとっても学生時代、高田さんは憧れの選手の一人だっただけに、メダルもより近く感じた

▼どんなスポーツにもいえるだろうが、テニスは精神面に大きく左右される。「頂点に立った戦いは肉体の戦いではなく、精神の戦いだ」。2013年から錦織選手のコーチを務めるマイケル・チャンさんはこう述べている

▼リードしていたゲームを奪い返された後、再び流れを引き寄せた激闘に「何度も気持ちが折れそうになった」と振り返った。メダルという目標も後押しし、自らの力を信じる信念が負の壁を超えた

▼いつもは負けた試合後、ホテルにこもるという錦織選手。今回は違った。過去1勝9敗の強敵ナダル選手の対策を、高田さんらスタッフとビデオを見て研究。チームの支援も大きかっただろう

▼五輪は賞金もなく、今回からランキングのポイントも付かない。錦織選手の強い精神力と苦境でも前を向く姿勢は、見るものに勇気と活力を与えてくれる。その偉業に大きな拍手を送りたい。(赤嶺由紀子)