コンビニエンスストア国内最大手のセブン-イレブン・ジャパンが2018年、唯一の空白県となっている沖縄で、一気に300店規模の出店を目指す構想が明らかになった。県民からは歓迎の声が聞かれる一方、既に多くの店がひしめき「激戦区」となっている那覇市内の同業者らは、「王者」の進出に警戒を一層強めている。

2018年の沖縄進出が検討されているセブン-イレブンの店舗=東京都内

<不安>「また増えるわけ?」マチグヮー営む女性

 「また増えるわけ。マチグヮーをつぶす気かね。ばかにして」。那覇市内で個人商店を営む女性(81)は憤る。

 店の隣に24時間営業のコンビニができた数年前から、売り上げは半分以上減り、1万円を割り込む日が目立つ。特に午前中は「たばこ1箱も買いに来ない」という。「コンビニより安いのも置いてるけど、何でもそろっている方にみんな行っちゃう」と肩を落とす。

 コンビニ前のごみ箱が店内に置かれるようになってからは、コンビニ客が商店前のごみ箱に物を捨て、処理に追われるようになった。ごみ袋代もかさみ、売り上げ減で家賃支払いもままならない。ただ「年金だけで生活できないし、子どもに迷惑を掛けられない。体が動くうちは店を続ける」と力なく笑った。

 「ショック療法ではないが、昼食業界はコンビニとの違いを鮮明にしなければ生き残れなくなる」。県内4店を展開する上間弁当天ぷら店の上間喜壽代表(31)も気をもむ。「セブンは他コンビニに比べても味と価格のバランスが絶妙。県内業界の真価が問われる機会になりそうだ」と腕をまくった。

<警戒>「客の流れ変化も」他社のコンビニ店主

 業界1位の競合他社の“沖縄襲来”に、県内でコンビニエンスストアを切り盛りする店主らは戦々恐々の様相だ。

 那覇市のオフィス街に店舗を構える県内コンビニチェーンの男性店主(39)は「2年後の進出とはいえ、セブン-イレブンがどんな戦略か分からず、不安が強い」と話す。

 利用客はサラリーマンや働く女性が中心。健康飲料や清涼飲料水を中心に売り上げを伸ばしてきたが、「近くに新店が出店すればお客さまの流れが変わることは避けられない」。

 別のコンビニの店主(41)も「セブンは弁当や総菜を中心に、商品の物量が圧倒的。太刀打ちできるかどうか」と警戒感を漂わせる。「周辺の不動産を確認し、セブンがどこに出店してくるのか予想するしかないのが現状です」と声を落とした。

<歓迎>「独自品楽しみ」「安心」消費者

 パレットくもじ前を行き交う市民からは、セブン-イレブンの沖縄進出に「うれしい」と歓迎する声が大勢を占めた。

 県外に住んでいた時、セブンをよく利用していたという会社員の田崎梨乃さん(27)=浦添市=は「セブンにしかないコラボ商品が楽しみ」。防犯面でも「コンビニが増えて真っ暗な場所に24時間営業の明かりがあれば安心」と話す。

 節約でコンビニよりスーパーを利用するように心掛けているという会社員の小嶺武雄さん(61)=那覇市=も「コンビニ同士で競争し合い、商品がおいしく、安くなれば消費者にとっていいことだ」と期待した。

 一方、兵庫県から那覇市に移り住んだばかりの平井幸枝さん(69)は、沖縄に来た当初、セブンがないことに驚いたという。「コンビニが増えるのは助かるけど、乱立して、お互いにつぶし合わなければいいけど」と懸念した。