名護市辺野古の新基地建設に伴う海上警備を巡り、沖縄防衛局が市民の情報公開請求に対して、開示決定を1年後に先延ばししていたことが分かった。情報公開法の原則は30日以内で、専門家によると1年間の延長は例が少ない。請求した抗議船船長の北上田毅さん(70)は「ほとぼりが冷めるまで文書を隠そうとする政治的な決定だ」と批判。18日、防衛相に不服審査請求した。

防衛局が先行して1枚だけ開示した警備会社からの日報。ほとんど黒塗りになっている

 北上田さんが情報公開請求したのは、海上警備を受託するライジングサンセキュリティーサービス(東京)が防衛局に提出している日報。100%子会社のマリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)を含めた2社が、抗議市民の顔写真や名前をリスト化していたことが分かっている。

 自身もリストに掲載された北上田さんが5月16日、個人情報が防衛局に報告されていないか確認するため、日報の情報公開を求めた。これに対し、防衛局は「開示・不開示について適正かつ慎重に検討する作業が必要」などとして、判断する期限を来年5月31日に延長すると通知した。

 情報公開法は期限を原則30日以内とし、困難な時は30日延長できると規定。さらに「文書が著しく大量」な場合には特例として「相当の期間」延長できるとしており、今回はこの規定を適用した。

 一方、防衛局が先行して一部開示した日報はほとんど黒塗りされているA4判1枚だけ。北上田さんは「請求したのは210日分で、1日1枚とすれば到底大量とは言えない。特例の乱用だ」と主張している。(北部報道部・阿部岳、中部報道部・赤嶺由紀子)