辺野古違法確認訴訟の第2回口頭弁論で、提訴の正当性を訴える国側に対し、翁長雄志知事はこれまでの国の協議に望む姿勢がいかに不誠実だったかを訴え、問題解決に向け中身のある実質的な協議を求めた。だが、来月16日の判決というスピード審理は決まっており、県内部では敗訴も想定し、上告のタイミングを探る動きも出始めている。(政経部・大野亨恭、東京報道部・上地一姫)

 「国は幾つもの落とし穴を仕掛けてきた」。県幹部は弁論をこう評した。

 “落とし穴”とは何か。訴訟に携わる県関係者は、訴訟と協議を「車の両輪」で進める国の手法を正当化するために、国側が和解条項ではなく、代執行訴訟で裁判所が示した「和解勧告文」を持ち出したことをその一つに挙げる。

 ただ、知事は「勧告」と「条項」では前提とする訴訟が異なることなどを冷静に答弁。県関係者は「知事は国の仕掛けをうまく回避した。国は知事が訴訟の基礎を理解していないと、高をくくっていたのではないか」と話し、「国の反対尋問はわれわれの想定内だった」と余裕の表情すら見せた。

 一方、裁判所による訴訟指揮の「軌道修正」とも取れる場面もあった。

 多見谷寿郎裁判長は5日の第1回口頭弁論で事前に裁判所が県に求めた釈明事項を確認する形で「県は判決に従うか」と何度もただした。これに対し、県側代理人は「正当な訴訟指揮とは思えない」(松永和宏弁護士)と痛烈に批判した。

 この日の弁論の冒頭、多見谷氏は前回繰り返し問うた理由を「確定判決に従うつもりがなければ無駄な裁判になる」と“釈明”した。県側の竹下勇夫弁護士は「長い間弁護士をしているが初めての経験。釈明理由は判断し難い」と真意を測りかねる。県幹部は、「あまりに偏った訴訟指揮だとの声を裁判所が気にしたのではないか」といぶかる。

 ただ、県内部では弁論で知事の尋問が代執行訴訟から今回までの経緯など3事項しか認められなかったことなど、これまでの訴訟指揮から、来月16日の判決は「県側に厳しいものになるのでは」との見方が強い。

 地方自治法の定めにより、来月16日の判決で、最高裁への上告期限は7日後の23日までとなる。県関係者によると、既に県幹部の間で上告のタイミングの検討にも入っているといい、辺野古新基地建設阻止のために「あらゆる手段を尽くす」と全面的に争う姿勢だ。辺野古沿岸部の岩礁破砕許可が2017年3月に期限を迎えるため国が更新申請や協議をしてくるものとみられ、県内部ではその対応への検討にも入っている。

 一方、防衛省関係者は仮に、最高裁判決が出ても知事があらゆる手段を講じ続ければ「判決が出たのに駄々をこねているとして県民の支持は離れていく」と余裕の表情を見せる。

 だが、「弁論で出た『協議』を、裁判所がどう認定してくるのかは気になる」と一抹の不安も口にする。