沖縄行政評価事務所が、県内の直轄国道6路線の維持管理状況を調べたところ、点字ブロックの不備が次々と見つかった。

 ブロックの途切れや破損をはじめ、車道方向へと導く誤った設置、県・市町村道との未接続など、問題は379カ所に上った。

 点字ブロックは目の不自由な人たちの大事な道しるべである。6路線を管理する沖縄総合事務局には、優先度の高い課題として迅速な対応を求めたい。

 調査は4月から7月にかけて、国道58号や329号など約284キロを対象に実施。

 「歩道等の安全及び利便の確保」に関する項目では、732カ所で改善の必要性が指摘され、その半数以上が点字ブロックに関するものだった。

 驚いたのは、横断歩道に対し斜めに設置されるなど、誘導に従って進むと車道等にはみ出す恐れのある点字ブロックが7カ所確認されたことである。

 今月15日、東京の地下鉄で、盲導犬を連れた男性が駅ホームから転落し、電車にひかれて死亡する痛ましい事故があったばかりだ。

 事故のあった地下鉄駅には線路との間を区切るホームドアがなく、男性の進行方向の点字ブロックの一部が柱にかかっていたという。

 目の不自由な人たちは駅のホームを、その危険性から「欄干のない橋」に例えたりする。

 「安全」を足裏で確認しながら踏みしめた点字ブロックが車道へと導いたのでは「欄干のない橋」と同じだ。

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 今回の調査では、国道に設置されている点字ブロックと、その国道に接続する県・市町村道の点字ブロックがつながっていない場所も12カ所見つかった。

 道路管理者が異なることによる縦割り行政の弊害なのか。

 歩道の真ん中で立ちすくみ、不安がる利用者の姿が浮かぶ。

 県民の批判を浴びた「ゆいレール」の長引く昇降機故障問題でも、道路管理者である国、県、那覇市の間で情報が共有されず、そのため利用者サービスが後回しになったことが指摘されたばかりである。 

 「管理者が異なる道路においても、地方公共団体との協議を実施するなど、連続性が確保されるよう努めること」とする行政評価事務所の改善意見に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだ。

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 建物や交通機関、道路などのバリアフリー化促進を規定した「バリアフリー新法」が施行されて、間もなく10年になる。

 それなのに、いまだにこんなたくさんの点字ブロックの不備が指摘されるのは、当事者視点の欠如にほかならない。

 身体障がい者団体からは「道路に特化した意見を述べる場がほしい」という要望が出されている。

 当事者の声を定期的に聞き、利用者の視点に立った改善を図るべきだ。併せて県や市町村管理の道路の点検も進めてほしい。