沖縄市の教職員を対象にした研修会が10日、同市民会館で開かれ、いずれも小学校の教員経験が長い琉球大学教職大学院の丹野清彦教授と白尾裕志准教授の二人が、授業づくりや教師の関わり方について講演した。

難しい子どもとの関わり方などについて講演する丹野清彦さん=10日、沖縄市民会館大ホール

 丹野さんは、これまで出会った子どもたちとの涙あり笑いありのエピソードや、そこから得た教訓をユーモアたっぷりに語った。

 最初に紹介したのは、いつもいら立って教師に反抗する5年生の男児。当初はほめてかわすことにしたが、叱らずに過ごすこともできず、ついに衝突することに。「お前なんか担任と認めた覚えはねえ。母さんに教育委員会に電話してもらって担任変えてやる」と怒鳴る男児に対し、「もう一度言ってみろ!」と返したところ、男児は本当にもう一度そのまま暴言を繰り返したという。

 思わず手を上げそうになって丹野さんが近づくと、逆に男児にたたかれてしまった。ところが、ふと前日に見た学園ドラマ「3年B組金八先生」で同じようなシーンがあったことを思い出し、「もっと自分を大事にしろよ。そうやって傷ついているのは、お前自身やろ」となだめると、男児は思いがけず泣き崩れたという。

 「コンクリートに強いボールを投げてもはじかれるように、この子には激しい言葉は届かなかった。それなのに、優しい言葉はすっと入った」と丹野さん。「『いつも優しい言葉で注意して』と言いたいわけではない。きっぱり注意された方がいい子もいれば、理由を聞いた方がいい子もいる。相手に合わせて言葉を選ぶことが大切」と説いた。

 白尾さんは、国語や社会の模擬授業を交えながら、授業づくりのポイントを説明した。

 6年生の社会の模擬授業で取り上げたのは、冠位十二階(603年)や憲法十七条(604年)、法隆寺建立(607年)など聖徳太子が行った一連の改革。従来の授業ではこうした項目を暗記するだけにとどまりがちだが、白尾さんは7世紀初めの地図をヒントとして示しながら、「聖徳太子は非常に急いで改革を進めているように見える。それはなぜだろう」と問い掛けた。

 生徒役の教員からは「当時は隋が一大勢力。日本も自国防衛のために、早く力を付けて対等な関係を築く必要なあったのでは」との意見が上がり、白尾さんは「それでいいんです。知識の確認だけに終わらせず、その背景を考えさせ、事実を再構成できるような問いを」と提言していた。