南米大陸で初めて開催されたリオデジャネイロ五輪が17日間の熱闘に幕を下ろした。史上最多の41個のメダルを獲得した日本選手団の活躍に拍手を送りたい。

 リオ五輪には最多となる205カ国・地域から1万1千人を超えるトップアスリートが力と技を競い、感動のドラマを繰り広げた。

 日本選手団のメダルラッシュは目覚ましかった。2020年の東京五輪の追い風になるのは間違いない。

 金メダルに限れば、目標の14個に2個及ばなかったものの、メダル総数では前回ロンドン五輪を上回る最多の41個を獲得した。

 柔道、水泳、レスリング、体操の「お家芸」が大舞台で期待通りの成果を挙げた。

 体操男子の内村航平選手は個人総合で最終種目の鉄棒を完璧に演じ、僅差で逆転するというドラマチックな展開で44年ぶり2連覇という快挙を成し遂げた。団体総合と合わせ2冠に輝いた。

 忘れられないのはレスリング女子53キロ級の吉田沙保里選手。決勝でまさかの敗退を喫し4大会連続優勝を逃した。涙がとまらず「たくさんの方に応援していただいたのに、申し訳ない」と繰り返したが、何も謝ることはない。吉田選手が残したこれまでの実績はまさに「霊長類最強女子」と呼ぶにふさわしいものだ。

 リオでは「東京世代」と呼ばれる次代を担う若者の台頭が目立ったのも心強い。

 9月7日からは障がい者スポーツの祭典、リオパラリンピックが開幕する。もう一つの五輪も楽しみだ。

■    ■

 閉会式では、小池百合子東京都知事が五輪旗を受け取った。五輪の主人公がリオから東京にバトンタッチされた瞬間である。

 日本選手団はメダル獲得数では史上最多となったものの、獲得競技はロンドン五輪に比べ13から10に減っている。国際舞台を経験する機会を豊富につくるなど、幅広い競技の強化が必要だ。

 東京もコスト削減などリオと共通する課題を抱える。予算は当初から大幅に膨らんでおり、小池知事は検証に乗り出す方針だ。東京招致の際に掲げたのが「復興五輪」と「コンパクト五輪」であったことを思い起こしたい。

 リオでは初めて「難民選手団」が結成され、内戦や紛争で祖国を追われた世界の難民に希望を与えた。東京では世界に向かってどんなメッセージを発信するのか。明確にすることが求められる。

■    ■

 県出身では糸数陽一選手が重量挙げ男子62キロ級で、日本記録を更新して4位入賞を果たした。重量挙げ界の期待の星であり、東京で狙うのは金メダルしかない。

 東京では空手が正式種目に加わった。男子形ですでに世界の頂点を極めている喜友名諒選手がいるが、メダルを目指す選手の育成をもっと強化してほしい。

 国内外から空手愛好家・競技者らが発祥地である沖縄を訪れるはずである。来年3月には「沖縄空手会館」がオープンする。経済効果を生み出すような受け入れ態勢も整えたいものだ。