学童や一般の疎開者ら1788人を乗せた疎開船「対馬丸」が、米軍潜水艦の魚雷攻撃で沈められてから72年となる22日、那覇市若狭の慰霊碑「小桜の塔」前で、対馬丸記念会主催の慰霊祭が営まれた。生存者や遺族ら約500人が参列。犠牲者の冥福を祈るとともに、恒久平和を願いオオゴマダラを空へ放った。

慰霊祭で、平和を願いチョウのオオゴマダラを放つ参加者ら=22日、那覇市若狭・小桜の塔

 対馬丸の犠牲者は学童784人、全体で1482人に上る。同記念会の高良政勝理事長は「平和という時間が末永く続いていく努力を決して諦めることなく、次の世代へ伝えていくことが皆さまへの最大の供養」と追悼の言葉を述べた。

 黙とうでは船の汽笛の音がスピーカーで流れ、涙を浮かべる参列者も。いかだにしがみつく母におぶられて命拾いした金武町の高里シズ子さん(77)は、兄姉2人を亡くした遺族でもある。「船の音を聞くと姉と兄を思い出し、胸が苦しくなる」と涙をぬぐった。

 浦添市の堀川澄子さん(83)は母親に内緒で対馬丸に乗船。船が沈む際の渦に巻き込まれて海に引きずり込まれたが、救命胴衣のおかげで浮上できた。「私は運が良かったが、亡くなった同級生たちの親に合わせる顔がなかった」と表情を曇らせる。悲しみを胸に「安らかに眠ってください」と手を合わせた。

 「つしま丸児童合唱団」による鎮魂の歌や、平和を誓う群読も披露された。

 対馬丸記念館では特別展「奄美大島と対馬丸」も始まった。生存者の救護や犠牲者の埋葬をした奄美大島の人々の証言などが展示されている。10月2日まで。