沖縄県教育委員会が実施している公立学校教員候補者選考試験の英語リスニング問題が、2015、16年度は市販の問題集2冊だけで全問作成していたことが25日、分かった。県教委が同日会見し、明らかにした。2年連続で特定の出典元から大量引用したことについて、平敷昭人教育長は「是正する必要がある」と認めた一方で「著しく公平性を欠いているとまでは言えない」とも述べ、再試験などは行わない方針を示した。問題作成の在り方を見直すため、近く外部の有識者を含めた委員会を立ち上げる。

教員採用試験リスニングの問題点

昨年と今年の教員採用試験の英語リスニング問題が、市販の問題集2冊から全問が作成されていたことなどを説明する平敷昭人県教育長(左)ら県教委幹部=25日、県庁

教員採用試験リスニングの問題点 昨年と今年の教員採用試験の英語リスニング問題が、市販の問題集2冊から全問が作成されていたことなどを説明する平敷昭人県教育長(左)ら県教委幹部=25日、県庁

 同問題は、沖縄タイムスの調べで旺文社の「英検1級リスニング問題150」から問題が多数、引用されていたことが判明。同教委が調査したところ、テイエス企画の「TOEFL TEST対策ITPリスニング」から残り全ての問題が引用されていた。

 試験問題数は15、16年度ともに全18問。15年度は13問が英検本、5問がTOEFL本からの引用だった。16年度は英検本から8問、TOEFL本から10問出題された。

 試験問題は県教委職員や教員が複数で作成。作問委員は出典を確認していたが偏りを問題視せず、その後、確認作業する検討委員も見逃していた。県教委は「(文法などの)間違いがないかのチェックに比重が置かれていた。偏りの意識が低かったのは否めない」と釈明した。

 15、16年度のリスニング問題は、登場人物の名前や一部表現を変えただけの出題が相次いだほか、一言一句まで同じ内容の出題も少なくなかった。公表された著作物を試験問題に使うことは法的には問題ないが、一部の予備校などはこうした出題傾向を把握しており、受験者や識者から「公平性を欠く」との指摘が挙がっていた。

 平敷教育長はリスニング問題について「ゼロから作るのは難しく、(市販本からの)引用が多い」と理解を求めつつ、一方で「問題集を活用した人が結果的に慣れた問題が出るという意味では、同じ条件だったかは疑念がある」とも発言。公平性に関する説明は終始曖昧だった。