森達也監督のドキュメンタリー映画「FAKE」が那覇市の桜坂劇場で上映中だ。聴覚障がいを抱えながら楽曲を発表したとして「現代のベートーベン」などと称賛されたものの、ゴーストライター騒動を引き起こした佐村河内守氏を追った作品だ。

ドキュメンタリー映画「FAKE」より。森達也監督(左)と佐村河内守氏

 森監督は、佐村河内氏に会った瞬間、「絵になる人だ」と直感したという。佐村河内氏が妻や猫と暮らす自宅でカメラを回し、その素顔に肉薄していく。森監督は「二元的になっている社会に危機意識を持っている」と話す。

 オウム信者らを被写体とした「A」(1998年)以来、社会に対し「別の視点」を提供し続けてきた森監督が、「FAKE」でも、さまざまな解釈を呼び起こす素材を見る者に問い掛ける。

 森監督はメディアにあふれる情報がパッケージ化されていることに警鐘を鳴らす。「そこを補完するのが、ドキュメンタリー映画の役割だ」と話した。