【久米島】以前から島に自生していたものの、現在は絶滅危惧種となっているユリ科の「キバナノヒメユリ」の繁殖に、久米島町仲泊の真喜志康順さん(67)、京子さん(64)夫妻が取り組んでいる。亡くなった友人から球根を譲り受けて始めて、5年目。夫妻は一緒に育ててくれる人を募っている。

6月に真喜志さん宅で咲いたかれんなキバナノヒメユリの花=久米島町仲泊

友人の形見のキバナノヒメユリの繁殖に取り組む真喜志康順さん(右)、京子さん夫妻

6月に真喜志さん宅で咲いたかれんなキバナノヒメユリの花=久米島町仲泊 友人の形見のキバナノヒメユリの繁殖に取り組む真喜志康順さん(右)、京子さん夫妻

 キバナノヒメユリは久米島のほか本島、渡名喜島などに自生。高さ60~100センチの茎の上に、日本産のユリ属では最小サイズという直径4~7センチの黄色い花を咲かせる。かれんな花の開花は夏場の数日だけ。環境省は将来絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧IA類」に指定しており、那覇市繁多川では地域ぐるみで育てる保護例がある。

 真喜志さん宅でも6月初めごろ、花が咲いた。繁殖を始めたのは2012年。友人で盆栽仲間だった新垣實さん=享年61=から球根2個を譲り受けた。その後、新垣さんは肺がんで亡くなったが、大切に「形見」として育て、今では50株に増えた。

 康順さんは「小学5年のころ、町北原のナガタケ松の下に群生していて、とてもきれいだった」と懐かしい記憶をたどる。営んでいる菓子店の商品の包装箱にも花の写真を載せるほど愛着深い存在だ。

 真喜志さん夫妻は幼いころに見た島の風景をいつかは取り戻したいと、共に栽培してくれる「里親仲間」を募っている。問い合わせは真喜志菓子店、電話098(985)3613。(比嘉正明通信員)