美容師歴は五十数年、日本とアメリカで美容院を経営してきたのが与那国島出身の比嘉春子さんだ。東京の山野愛子美容学校を卒業した春子さんは、フランスで美容師の仕事をすることを夢見ていたが、渡航先を親戚がいるロサンゼルスに変更。アメリカで出会った名護出身のピーター比嘉さんと結婚した。

元気の秘けつは「よく寝て、よくしゃべること」話す比嘉春子さん=米ロサンゼルス郊外アナハイムのキク・ビューティーサロン

 その後、一度沖縄に戻り美容院を経営した後、再びアメリカへ。そして36年前に、ロサンゼルス郊外アナハイムにキク・ビューティーサロンをオープンさせた。現在は美容室のオーナーは次男のベンさんに世代交代しているが、春子さんは今でも火曜から土曜まで毎日12時間、店に出て美容師として働いている。

 「アメリカでもお茶の教室や日本文化の公演などで着物を着る機会があり、私は日本髪も着物の着付けもできるのでお役に立てる」と春子さん。さらに仕事だけでなく、日系文化協会の公演ではボランティアとして、着付けをしたり日本髪を結ったりと奉仕活動にも大忙しだ。

 今も現役の美容師として毎日、立ち仕事に精が出せる秘けつを聞いた。「よく寝て、よくしゃべること。それから食べ物。野菜や豆の煮物など薄味の料理が中心。ゴーヤーも欠かさない。沖縄の料理は黒砂糖を使うのでこくがあっておいしく仕上がる」

 美容院を経営しながら、3人の子どもたちを育て上げた。長男はハワイのホテルとレストランで料理長になり、次男は美容院を引き継ぎ、琉球舞踊玉城流師範としても活躍、長女はビバリーヒルズの高級デパートでマネージャーとして働いている。そして毎週日曜は、次男のベンさんが美容院のフロアを教室に変えて舞踊を教える稽古に春子さんも顔を出し、自慢の料理を持参して生徒たちを慰労している。

 「生徒さんたちの踊りを見た後は、私が作った料理を食べてもらう。そうすることで、私も少しでも琉球舞踊の指導に貢献したい」と笑顔で語った。(ロサンゼルス通信員 福田恵子)