山中に出現した高さ4メートル近い「壁」の前で、宮城秋乃さん(37)に会った。「アキノ隊員」として知られるチョウの研究者。沖縄防衛局職員や作業員に宛てに「あなたがリュウキュウウラナミジャノメの生息地を破壊しました」との抗議文を準備していた

▼東村高江周辺、ヘリパッド建設予定地に続く道。防衛局は抗議市民の進入を防ぐため、二重のフェンスと有刺鉄線を張り巡らせた。中では木を伐採している。希少生物が逃げ道を失っている

▼アキノ隊員は抗議文と生物の写真をフェンスに貼った。「はがす時でいいから読んでほしい。後で知らなかったとは言わせない」。現場から東京の環境省に「防衛省を止めて」と電話することもある

▼一方、名護市辺野古の新基地建設に関わる研究者の姿勢は対照的に見える。防衛局の環境対策に助言する環境監視等委員会。昨年末分の議事録が公開された

▼複数の委員が建設事業の受注企業から百万円単位の寄付を受け取っていたことが問題になっていた。席上、防衛局が自粛を提案してもなお「活動に制限を受ける」などと難色を示す委員がいた

▼無報酬で生態調査を続けるアキノ隊員は研究者の誇りを語る。「学術的知見は永遠の財産。お金は使えば一瞬。生物が好きで研究者になったのか、お金のために生物を利用するのか、だと思う」(阿部岳)