民進党の代表選が2日告示された。旧民主党と旧維新の党が合流して初めての代表選である。

 立候補を届け出たのは蓮舫代表代行(48)、前原誠司元外相(54)、玉木雄一郎国対副委員長(47)の3氏。

 民進党は7月の参院選で議席を伸ばしたとはいうものの、今も崖っぷちにある。民主党時代の政権運営の失敗によって有権者の中には「この党に政権はまかせられない」という否定的評価が染みついている。沖縄でもそうだ。

 民進党は果たして代表選を通して生まれ変わることができるのだろうか。

 2日の共同記者会見で前原氏は「信頼を回復するのは並大抵でない」と言い、玉木氏も「国民の信頼を集めることができていない」と否定的な現実を認めた。

 政権与党の対抗勢力として安倍官邸の権力行使を立憲主義の立場から監視し、時に対案を示して政権担当能力を鍛え、寄り合い所帯のバラバラ感を克服し、政権批判票の受け皿となること-それが民進党に突きつけられた課題である。

 それができなければ民進党は旧民主党がそうであったように、分裂・解党への道を歩むしかないだろう。

 今、必要なのは官邸への権力の一極集中ではない。「安倍1強体制」の下で強大化する権力を牽制(けんせい)し、健全な均衡を回復することである。

 立候補者は、代表選を再生への出発点と位置づけ、基本政策や党運営、信頼回復に向けた取り組みについて議論を深めてもらいたい。

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 共同会見で3氏が強調したのは「安心の好循環社会の実現」(蓮舫氏)、「オール・フォア・オール(みんながみんなのために)」(前原氏)、「子ども国債の発行」(玉木氏)など。

 子ども施策の重視、再分配政策の導入という点では大きな違いは見られなかった。

 今後は、憲法改正に対する姿勢、野党共闘路線の評価、格差是正と経済成長、対決型政治と対案提示型政治などについて、突っ込んだ議論を求めたい。

 野党共闘路線については、一定の成果を上げたことで党内に継続を求める声がある。その半面、政権選択選挙である次期衆院選は、綱領や基本政策の違いを無視して連携することはできない、との考えも根強い。

 憲法改正についても、党内の意見は多様だ。それだけに余計、代表選での「あいまい化」は危うい。当選後の態度変更が党を混乱させる恐れがあるからだ。

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 米軍普天間飛行場の移設問題について、選挙の際、「最低でも県外」と主張し、大きな反響を呼んだのは鳩山由紀夫元首相である。

 外務省、防衛省の官僚が米国側と提携し、陰に陽に首相の公約実現を妨害。窮地に追い込まれた鳩山首相はついに「辺野古移設」に回帰し、辞任した。

 普天間問題は民主党政権崩壊の引き金となった。しかし、だからといって、沖縄の基地問題をやっかい視し、官僚に解決をゆだねるような思考停止に陥ってはならない。