沖縄県東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設問題で8月25日、機動隊が抗議の市民を排除する現場に、陸上自衛隊3尉がいたことが分かった。本紙の取材に、陸自はこの3尉を千葉から沖縄入りさせたことを認めた。建設予定地を頻繁に出入りしている米陸軍兵も3尉に同行していた。市民は「警察に加えて日米の軍人まで。不気味だ」と警戒している。(北部報道部・阿部岳)

ヘリパッド建設に反対する住民らを排除する機動隊=8月22日、東村高江

 陸自3尉と米陸軍兵が目撃されたのは8月25日午前11時前、市民が建設資材を積んだダンプを通さないよう、高江橋に車を止めていた時だった。機動隊が排除する様子を見て、写真を撮ったりしていた。

 3尉はパラシュート降下を任務とし、精鋭で知られる第1空挺(くうてい)団(千葉県・習志野駐屯地)の後方支援隊落下傘整備中隊に所属。私服姿で、市民に「自衛隊の方ですか?」と聞かれたが、「違いますよ」と答えた。

 米陸軍兵の階級は不明だが、制服から米テキサス州に本拠がある第4支援旅団所属と判明。8月30日までの1週間程度、通称N1裏にある市民のテントの様子をうかがってメモを取ったり、N1地区のフェンス内にいたりする姿が確認されている。

 陸上幕僚監部などは3尉の沖縄派遣について、米第3海兵遠征軍の若年幹部研修に参加するためと説明した。「日米関係強化と人材育成」を目的に年4回、3佐~3尉の5人程度が参加している。16回目の今回は7~9月の約2カ月間だという。高江にいた理由は「研修プログラムにはない。分からない」と答えた。

 現場にいた市民は「自衛官は公務中なのに身分を偽った。隠さないといけない任務があるのか。辺野古新基地建設に掃海母艦が来たことを思い出した」と驚く。「一緒にいた米兵は頻繁に現場に来ている。単なる通りすがりではないことは確かだ」と話した。

 県平和委員会の大久保康裕事務局長は「2人とも所属は事実上の特殊部隊で、情報収集も任務としている」と指摘。「推測」としながらも「市民を作戦対象として監視していたか、陸自ヘリで資材を運ぶための下見か、いずれかではないか。日米の特殊部隊の一体化が現場で進んでいる」と語った。