沖縄県先島諸島海域で6~8月の平均海面水温が観測史上最高値30・1度と高い状態が続き、石西礁湖(せきせいしょうこ)と同様に西表島西側でも大規模なサンゴの白化が進んでいる。白浜、網取、船浮の湾内リーフでは3日、白や青、ピンク色などに変色したサンゴが広がり、藻が付着し死んでいる個体も複数あった。沖縄気象台によると、海面水温30度前後の状態は9月中旬まで続く見込み。地元ダイビング関係者や研究者は「白化が長期化すると多くのサンゴが失われてしまう」と心配している。

リーフを覆うテーブル状のサンゴのほぼ全個体が白化している=西表島の網取湾(下地広也撮影)

 西表島で約35年ダイビングガイドをする矢野維幾(これちか)さん(62)は「8月に入って白化が加速した。このまま海水温が高い状態だと、9月中旬には現在白化しているサンゴの多くは死んでしまう。台風が来ない限り、危機的状態は変わらない」と話す。

 海面の温かい水と、深い場所にある冷たい水をかき混ぜる台風は今年、先島諸島を通過していない。

 サンゴ礁の保全管理に取り組む日本サンゴ礁学会サンゴ礁保全委員会の中野義勝委員長は「夏から秋に季節が変わり、水温が少しずつ低下すると、サンゴは回復期に入る」と話し「県内各地のミドリイシ類8割が死んだ1998年の大規模白化の時とは違い、局地的な状況とみている。しかし海水温が下がらなければ、予想以上の被害になる可能性が高い」と指摘する。

 被害の全容が分かるのは、11月ごろだという。