社会医療法人 友愛会の取り組み

がんとの闘い チーム医療で支える

-豊見城中央病院・健康管理センター・豊崎クリニック・南部病院-

 生涯で2人に1人が「がん」と診断されるがんの時代。医療技術の進歩と「闘い」を支えるさまざまな仕組みを背景に、がんは「かかれば最期」だった時代から、「共に生きる」時代へと変わってきた。近年の3大治療(手術・化学療法・放射線療法)の進化に加え、診断当初から介入する緩和ケアなど、患者を多角的に支援する「チーム医療」を掲げる医療施設が県内でも増えている。早期発見・早期治療であれば、通院で働きながら根治をめざすことが可能となったがん。そのがんとの闘いにおいて最大の〝伴走役〟となる医療の現場を訪ねた。地域で暮らし、自分らしく「がんの時代」を生き抜くために―。県内の先進的ながん治療の取り組みの今を伝える。

県内で増えている大腸がんの腹腔鏡手術を担当する仲地厚医師(右奥)=豊見城中央病院

【豊見城中央病院】

患者の身体負担が少ない最新手術

 豊見城市上田にある社会医療法人友愛会の豊見城中央病院(新垣晃院長)。37診療科、病床数376床、1354人のスタッフを擁する大規模総合病院だ。がん治療認定医研修施設の一つで、南部医療圏(浦添市以南)における治療経験数は、大腸がんで2番目、胃がんで3番目の実績を持つ。11あるオペ室では、がんを含む年間約6千件もの手術が行われている。

 8月下旬のある日、薄暗い一室で大腸がんの腹腔鏡手術が始まった。患者は70代男性。大腸がん検診(便潜血検査)が端緒となり、精密検査で腫瘍が見つかった。腹部に開けられた直径5㍉~1㌢の4つの穴から、細い筒状の腹腔鏡(カメラ)と手術器具が差し込まれる。モニターには拡大された腹腔内がはっきり映し出され、医師はそれを見ながら病巣部を切除していく。切除部分を取り出すため4㌢程度の傷はできるが、従来の開腹手術に比べると傷は小さい。術後の痛みの軽減や回復が早いとされる腹腔鏡下の大腸がん手術は近年、同病院でも術数が増えている。

 早期のがん、腫瘍径が小さいがん、内臓脂肪が少ない場合などは、手術は短時間で済む(2~4時間程度)。「内臓脂肪が多い場合や糖尿病、心臓疾患などを伴う場合はそれ以上かかることもあるが、こうした場合でも適切な適応と安全を確保して施行している」と語るのは執刀医で副院長の仲地厚医師(51)。患者への負担が少ない低侵襲手術は、早期大腸がんや肺がん、乳がんの内視鏡手術など、施術分野は増えつつある。スムーズに治療を進めるためにも内臓脂肪を減らすような生活習慣は大事だ(※1)。

チーム医療について語るがん治療認定医で消化器外科医の仲地厚医師
診察に当たる消化器外科で外科診療科部長の照屋剛医師

(※1)沖縄県の大腸がん死亡率は全国ワースト2位(2014年、75歳未満年齢調整死亡率で人口10万人当たりの数)。生活習慣、肥満の増加、検診受診率の低さなどが背景にあるとされる。