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  • 住宅ローン金利が低下する中、利用者の借り換えが金利競争に拍車
  • 県内3銀行の店頭金利は2.925%のままだが「最近は金利1%台も」
  • 借り換えは収益悪化の恐れがあるが、他のローンで囲い込む狙いも

 ネット銀行や県外金融機関の参入、マイナス金利の影響で住宅ローンの金利が低下する中、利用者の借り換えが金利競争に拍車を掛けている。沖縄県内地銀3行が公表する店頭金利(変動金利)は2・925%で2009年から変わらないが、実際に適用される金利との差は拡大しており、ある担当者は「最近は金利1%台も目立つ」と明かす。金利引き下げは利用者にはメリットがある一方、金融機関の収益環境を圧迫しかねず、金融機関のジレンマは深まる。新たな需要や付加価値の掘り起こしが急務となっている。(政経部・村井規儀)

空から撮影した住宅地

 「住宅ローンを組んでいる金融機関に他行への借り換え相談に行ったら、金利3%から1%へ変更を提案された」。住宅ローン10年目になる沖縄市在住の男性(38)は驚く。

 ローンなどの相談に応じているファイナンシャルプランナーの慶田城裕氏によると、新規と借り換えの相談の割合がマイナス金利導入後に7対3から4対6へ逆転した。「マイナス金利の報道で『自分は損をしていないか』と、利用者が金利を考え始めた」と説明する。5~6年前に金利2%前後で住宅ローンを組んだ人からの相談が多いという。

 既に融資を受けている顧客の奪い合いとなる借り換えは、金利競争に拍車を掛け、金融機関の収益環境悪化につながりかねない。しかし、長期にわたる住宅ローンは利用者の生活設計と密接に関係し、マイカーや教育資金など他の個人ローンの需要も期待でき、顧客の囲い込みは重要だ。ある地銀幹部は「借り換えを含めた金利引き下げの相談は毎日のようにある。低金利は限界だが、相談に応じないと他行に取られかねない」とジレンマを抱える。

 慶田城氏は「残高や返済期限など借り換えのメリットには条件がある。まずはローンを組んでいる金融機関に相談を」とアドバイスする一方、金融機関には「顧客のメリットに寄り添い、住宅ローンの見直しを自ら提案する時期。収益が下がる分は、見直しで浮いた差額を個人ローンに誘導して補ったらいいのでは」と指摘する。

 【ことば】借り換え 返済総額の減少を目的に、別の金融機関で新しいローンを組み、現在借りているローンを一括で返済する手法。約30万~50万円の手数料が必要で、(1)借入残高が1千万円以上(2)金利差が1%以上(3)返却期限が10年残っている-ことがメリットを受ける目安となる。