いよいよ決戦の時がきた。4年に1度の祭典、リオデジャネイロ・パラリンピックが7日に開幕する。県勢は車いす陸上に上与那原寛和、ウィルチェアー(車いす)ラグビーに仲里進が出場する。表彰台を見据え、大舞台に挑む両選手の思いを紹介する。

試合形式の練習で汗を流す仲里進=サン・アビリティーズうらそえ

リオパラリンピックに向けて調整する上与那原寛和=嘉手納陸上競技場

リオパラリンピック 県勢出場の競技日程

試合形式の練習で汗を流す仲里進=サン・アビリティーズうらそえ リオパラリンピックに向けて調整する上与那原寛和=嘉手納陸上競技場 リオパラリンピック 県勢出場の競技日程

<仲里進 ウィルチェアーラグビー>世界熟知 チーム先導

 ウィルチェアー(車いす)同士のぶつかり合いが許された唯一のパラリンピック競技がウィルチェアーラグビー。この種目で4大会連続出場し、悲願のメダルを狙うのが浦添市出身の仲里進(しん)=アディダスジャパン=だ。「地元での支えがあったから向上できた。メダルをとって恩返ししたい」と試合を前に、気持ちを高ぶらせている。

 ウィルチェアーラグビーは攻守が目まぐるしく入れ替わり、ボールを巡り激しい接触が繰り返される。日本代表は4年前のロンドン大会の3位決定戦で敗れ、惜しくもメダルを逃した。初出場のアテネ大会(2004年)は8位、北京大会(08年)は7位だった。

 リオ大会出場の日本代表は26~44歳の選手12人。この中で、現在39歳の仲里にチームが期待するのが経験値やムードメーカー的な役割だ。

 また、09年のシーズンからアメリカやオーストラリアのチームでプレーしてきた仲里は世界の「強さ」や海外選手のプレースタイルを熟知しており、日本が勝ち上がるための役割は計り知れない。

 今年6月のカナダカップで、銅メダルを獲得するなどチームは波に乗る。世界ランキングは3位に浮上し、リオでもメダルを十分狙える位置にいる。

 リオへ出発前、「これまで積み上げたスキルやイメージ力、展開力を磨き本番までにさらにレベルアップしたい」と意気込みを語っていた仲里。「激しさや緻密な戦術、好守の切り替えなど競技そのものも楽しんでほしい」とも言う。

 「ハードワークをし、リオで暴れてきます」と力強く宣言した。 (新垣亮)

 なかざと・しん 1977年4月6日生まれ。浦添市出身。先天性多発性関節拘縮症で手足に障がい。車いすバスケを皮切りに、2002年沖縄ハリケーンズ入りしてウィルチェアーラグビーを始める。03年に日本代表に初選出され、パラリンピックは4大会連続の出場。

<上与那原寛和 車いす陸上>重ねた練習 確信生む

 「やるべき事はやってきた。必ずメダルを取れると信じている」。車いすT52クラス100、400、1500メートルに出場する上与那原寛和(45)=SMBC日興証券=は、余裕さえ感じさせる表情で言い切った。2012年ロンドンは400メートルで3着に入りながらも失格になった。「忘れ物」を取りに、3大会連続のパラリンピックに挑む。

 4月に現在のSMBC日興証券に所属を移し、一日中トレーニングに集中できるようになった。所属先の支援、共に汗を流す車いす陸上クラブ「タートルズ」のメンバーなど周囲の応援に感謝する。それと同時に、今大会への期待も感じているという。「今の環境の中で、結果を出さないといけない」と厳しい見方も忘れていない。

 昨年10、11月の世界選手権で銀メダルに輝いた400、1500メートルの2種目は「確実に表彰台」と強い決意をにじませる。中でも1500メートルは、7月に自身が持つアジア記録を更新するなど好調で、金メダルに最も近い種目と位置づける。

 1500メートルで警戒すべきは世界記録保持者で世界選手権覇者のマーティン・レイモンド(米国)。佐藤友祈(WORLD-AC)ら若手の台頭も光るため「流れを見ながら走りたい。最後の鐘が鳴った時、先頭集団に何人残っているかだ」とレース展開を描く。

 リオ大会は、まだまだ通過点にすぎない。その先に見据えるのは、49歳で迎える20年東京大会だ。「リオには53歳で出場する人もいる。この大会で今後の競技生活も見えてくる。自分自身、まだ伸びしろはあると思う」。リオを糧に、さらなるステップアップを狙う。(勝浦大輔)

 うえよなばる・ひろかず 1971年5月22日生まれ。沖縄市出身。2000年に事故で頸椎(けいつい)を損傷。08年北京パラリンピックはマラソンで銀。その後、中短距離に転向。12年ロンドンは800メートル7位。15年世界選手権400、1500メートルで銀。