遠くにいる親戚のおじさんか、古くからの知り合いだったかと錯覚するほど身近な存在だ。週刊少年ジャンプに掲載している人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(こち亀)の主人公の警察官・両津勘吉(両さん)のこと

▼その両さんにも最終回が訪れるというニュースに驚いたファンも多いだろう。40年間休載なしの連載が17日に終了し、コミックスも200巻で最後となる

▼破天荒でギャンブル好き。遊びも一生懸命で悪ふざけもピカイチ。だが、子どもたちの面倒見はよく、人情に厚い。そんなキャラクターが幅広い世代から支持を集めた

▼ギャグにとどまらず、人情味あふれ、ホロリとさせるストーリーも多い。受験票を川に落とした弟のために泳いで取りにいった幼いころのエピソードなど、兄弟や親子、友人、先輩後輩といった人間関係の機微も描く

▼長く愛される理由には、作者の秋本治さんの豊富な取材量もある。流行や風俗、時事などを取り込む情報量の多さ、東京下町の風景や街並みなどの細かい描写が読者を引きつける

▼「友情が宝物だというテーマを胸に書いている」。秋本さんは子どもたちに、作品を通して人と人との付き合いを知ってほしいとも願ってきた。型破りでも、たくましく、前向きに生きる両さんのメッセージとして受け止めたい。(赤嶺由紀子)