来春、宜野湾市の私立沖縄カトリック高校に硬式野球部が誕生する。学校創立以来初の硬式野球部を率いるのは、故・栽弘義監督の指導の下、豊見城高校で1975年春、76年春夏連続で甲子園に出場した岸本幸彦監督(58)だ。創部に向けて「1学年15人ほどの人数でたっぷり練習して一人一人の個性を生かし、甲子園を目指す」と意気込む。

「3年後の甲子園を目指す」と話す岸本幸彦監督。グラウンドだけでなく、付近の球場も借りて練習する予定だ=沖縄カトリック中学高校

 県高校野球連盟によると、沖縄カトリックは軟式野球部として加盟しており、来年4月に日本高野連に硬式野球部として登録し直せば、夏の県大会から出場できる。

 高校野球の監督を志したのは高3の時だ。赤嶺賢勇投手(元巨人)らと共に主将として出場した76年の夏の甲子園。準々決勝で星稜(石川)に0-1で惜敗した。力が抜け涙が出たが、将来への思いがこみ上げてきた。「もう一度この場所に戻ってくる」。指導者としての道を決めた。

 卒業後は大阪体育大に進学し、県内企業に就職。社会人野球で選手やコーチとして汗を流したが、指導者の夢を諦めきれなかった。沖縄尚学高で事務職員として勤務し、ことし4月から沖縄カトリックで保健体育教諭として勤めている。

 目指すのは恩師・栽監督の野球だ。グラウンドに足を踏み入れるだけで、空気がピンと張り詰めた。「緊張感を持って練習してほしい。メリハリを大事にし、試合では伸び伸びプレーしてもらえれば」と期待する。また、大学時代の同級生で、大阪体大の中野和彦監督にもアドバイスをもらう。「新しい練習方法も取り入れていきたい」と、最新の指導法を仰ぐ。

 「何もないところから僕を信じてきてくれるので、大きな責任がある。進路相談もしながらその子に合った大学に行かせたい」と進路指導にも力を入れる。

 高校野球監督を夢見て40年。自身の経験をなぞり、「小学校からエースだったとか、そんなのは全く関係ない。なにくそ根性で負けない気持ちを持っている子に来てほしい」。ともに同校の新たな歴史をつくる子どもたちを待っている。