酪農家数や乳牛の飼養頭数の減少により、沖縄県内の生乳生産量が落ち込んでいる。農林水産省によると今年3~7月の生産量は、前年比で3・4%下回った。県内主要乳業メーカーは牛乳の生産を制限し、品薄になっている小売店もある。関係者は価格上昇による消費者の「牛乳離れ」を懸念。メーカー側は県外産生乳の導入を検討するほか、県や県酪農農業協同組合(県酪)による生乳の安定供給支援の拡充を訴えている。

県内の生乳生産環境・量の推移

 沖縄森永乳業(西原町)は原料の生乳不足から、牛乳の生産量を前年比で5~6%抑制。沖縄明治乳業(浦添市)も生産制限し、小売店の需要に十分応えられていないという。宮平乳業(南風原町)も一部銘柄の販売を休止。担当者は「小売店に迷惑はかけられない。九州産生乳の導入も検討したい」と苦悩する。

 県内スーパーの担当者は「夕方以降、県産牛乳は品切れすることが多い。県外産を増やしたり、特売を見合わせたりしている」と話す。

 各乳業メーカーは品不足による店頭価格の上昇を懸念。担当者の一人は「乳価はこの10年上がり続けている。価格が一定のラインを超えたら、ますます牛乳離れが進むのではないか」と声を落とし、「県や県酪は生乳が安定供給できるよう、酪農家を支援してほしい」と望んだ。

 県内の2015年の乳用牛飼養頭数は4375頭で、前年に比べ444頭減った。飼養戸数は79戸で、同じく前年比で4戸減少。いずれも過去30年間で最低となった。

 県畜産課によると、各減少の背景には全国的な牛乳消費の低迷や飼料価格の高騰がある。さらに近年、肉用牛の子牛価格が高止まりし、酪農から肉用牛生産に転じる農家もいるという。乳量が増える冬場に向けて供給不足は改善する見通しというが「根本的な解決法は増頭しかない。県酪と連携して減少を食い止めたい」とした。