東村高江周辺の米軍北部訓練場のヘリパッド建設に伴い、6都府県から派遣されている機動隊が県内を移動するために使うガソリンや高速代金などを県警が負担していることがわかった。

 派遣機動隊はヘリパッド建設に反対している市民らを強制排除するなど、けが人が続出している。反対決議を2度もしている高江区、建設を容認しながら混乱を懸念する伊集盛久村長は工事車両の村道通過を拒否。翁長雄志知事も「事前に十分な説明もなく一方的に工事を進めようとする政府の姿勢は到底容認できない」と批判を強めている。

 反対の声が高まる中で、過剰警備に県民の血税が使われるのは納得できない。この予算措置はどこでどうやって決まったのか。県警は決定過程を含め、機動隊が派遣された7月からこの間、どれだけの税金を支出したのか、明らかにすべきだ。

 6都府県公安委員会への要請は県公安委が行っているが、協議を開かず持ち回りで決裁している。議事録もない。あらかじめ沖縄県警から連絡を受けた警察庁が必要な調整を行ったと政府は説明するが、県議会に経緯の調査を求める陳情をした沖縄平和市民連絡会は警察庁が主導していると指摘する。この経緯も説明する必要がある。

 同連絡会が入手した文書によると、派遣機動隊は各地から出港するまでに沖縄県警の給油カードを提示して車両を満タンにする、県内では県警契約の18店舗で県警の給油伝票を提示して給油する-ことを求めている。高速道路を利用する際は県警の高速券を使用することを明記している。

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 一方、沖縄防衛局は9日、民間のヘリコプターを使い、米軍北部訓練場内で、N1地区から重機や機材をつり下げ、G・H地区間を5往復した。市民らの抗議行動で工期の大幅な遅れを取り戻すため、ヘリで運ぶというなりふり構わぬ姿勢である。10日も続行した。来年3月から6月まではノグチゲラなどの営巣期間に当たり、それまでに3地区の工事を完了させるのが至上命令だからである。

 防衛局は3地区同時に工事を進める計画を示していたが、市民らの反対に遭いN1しか着手できていない。工事の初期段階ではヘリによる運搬は全体で20回程度、1日当たりの運搬回数は5回以下としており、今後もヘリの利用を念頭においている。

 大型資材の搬入に対応するため自衛隊ヘリも検討している。米軍側から飛行許可を得ており、現実味を帯びる。

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 陸上では機動隊が市民らを強制排除するばかりか、作業員を工事現場に近いゲートまで警察車両で送るなど公平中立を疑わせることをしている。空ではヘリで重機や資材を運ぶ。すべて米軍施設建設のためである。

 住民生活と豊かな自然環境が破壊される懸念には耳を貸さず、権力をむき出しにして何が何でも米軍にヘリパッドを提供しようとする日本政府の対米従属ぶりを如実に示している。安倍晋三首相が言う「できることはすべてやる」ことの姿がこれである。