重要な書類、貴重品などを保管する貸金庫や家庭用金庫の利用が増えている。東日本や熊本の震災をきっかけに貴重品を守る防災目的のニーズが高まっているほか、マイナンバー制度の導入に伴って従業員の個人情報を管理する小規模・個人事業主の活用も増えた。(学芸部・座安あきの)

個室で出し入れが可能な自動式の貸金庫=那覇市久茂地・海邦銀行本店

百貨店内の文具店に開設された家庭用金庫の売り場=那覇市、デパートリウボウ7階「CARTOLERIA」

個室で出し入れが可能な自動式の貸金庫=那覇市久茂地・海邦銀行本店 百貨店内の文具店に開設された家庭用金庫の売り場=那覇市、デパートリウボウ7階「CARTOLERIA」

 琉球銀行では東日本大震災以降、徐々に貸金庫の新規申し込みが増えてきた。年間の利用料は1万2千~2万4千円。立地によって需要は異なるが、那覇新都心(449個)、真嘉比(194個)、首里石嶺(144個)、普天間(110個)の4支店はほぼ満杯で、キャンセル待ちの状態が続いている。

 共働きで自宅を留守にしがちな若い夫婦が防犯目的で利用するケースのほかに、震災を機に貴重品の被災を防ごうと考える利用者も増えているという。同行営業統括部の松原弘樹主任は「利用者は年齢も職業も資産状況もさまざまで、幅広い層に広がっている。既存店舗の改築や移転新築の際には積極的に増やしていきたい」と話した。

 昨年12月に本店を新築オープンした沖縄海邦銀行(那覇市久茂地)は旧本店に100あった貸金庫を508個に増やした。全自動式のタイプを初めて導入し、新規の利用者開拓に取り組んでいる。

 那覇市内の金融機関で貸金庫を借りている不動産事業の男性(54)は土地の権利証や保険証など重要書類を預けている。「口座と違って銀行に万が一のことがあっても金庫が凍結される心配はない。自分に何かあったときに家族が引き継げる安心感がある」と話した。