【平安名純代・米国特約記者】沖縄防衛局が米軍北部訓練場のヘリパッド建設のために陸上自衛隊のヘリコプターを投入し、日本政府が強硬姿勢をさらに強めている現状について、米政府内では「判断したのは日本政府。日本の国内問題」と捉え、批判の矛先が自らに向けられることを懸念する。

 沖縄の米軍基地問題に関わる米国防総省高官は13日、本紙の取材に対し「陸自ヘリ投入は日本政府の判断であり、米軍や米政府側が責任を問われるべきのものではない」と前置きした上で、「来年1月までに工事完了という目標を達成できるだろう。やはり安倍内閣は違う」と評価する。

 一方で、国務省内では8月に新たに防衛大臣に就任した稲田朋美氏に警戒心を抱く声もある。

 稲田氏が防衛大臣に就任後、欧米メディアは稲田氏について「ナショナリスト(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)」「保守強硬派(フィナンシャル・タイムズ紙)」などと評し、憲法改正に前向きで靖国神社への参拝を欠かさない愛国主義者などと報じている。

 稲田氏は米ワシントンで15日にカーター国防長官と会談する予定だが、ある国防総省筋は「実はカーター長官側は稲田防衛相との会談に消極姿勢だった」と明かし、日程の調整に苦心したと吐露する。

 理由は、高江の工事を巡る日本政府の強硬姿勢に沖縄の反発が高まるなか、日米防衛トップ同士がワシントンで会談すれば、批判の矛先が米側にも向けられるとの懸念があるからだ。

 国務省高官は「高江の現場で沖縄県民らが抗議している事実は承知している」としつつ、「沖縄県知事は日本政府は説明不足との批判はするが、工事そのものをやめろと言ったことはない」と指摘。「一時的な市民の反発はあるが、北部訓練場完成後の返還は沖縄にとってメリットが大きく、沖縄の内部からも期待の声が多くある」と強調。「ヘリパッド建設と(名護市辺野古の)代替施設建設計画は、若干の遅れは出るかもしれないが、おおむねタイムテーブル通りに進められていくのではないか」と楽観的な見方を示した。