翁長雄志知事 コメントを申し上げる前に、大変あぜんとしている。朝に話をしたが、判決に臨んでどういう気持ちかという話だったが「淡々と、ありのままということだ」という話をした。

辺野古違法確認訴訟の判決を受けた会見で、語気を強める翁長雄志知事(右から2人目)=16日午後5時42分、県庁

 私からすると、いろんな場面も想定をしていたから、淡々とありのままを県民、あるいは日本全国民に向けて、ということで質問に答えた。簡単に申し上げると、これまで地方自治とか民主主義を守ろうという話をしてきたが、三権分立に相当な禍根を残すものではないのかなと思っている。

 一方的な(判決の)内容の場合、沖縄県民のより大きい反発と結束がこれから出てくるのではないかと思っている。

【コメントを報道陣に読み上げる】

 本日、地方自治法251条の7第1項に基づく不作為の違法確認請求事件の判決が、福岡高等裁判所那覇支部において言い渡され、国土交通大臣(国交相)が行った是正の指示に沖縄県知事が従わないことは違法である、との判断が示された。

 判決は「普天間飛行場の被害を除去するには、本件新施設等を建設する以外にはない。言い換えると、本件新施設等の建設をやめるには普天間飛行場による被害を継続するしかない」と述べるなど、辺野古が唯一との国の主張を追認するかのような内容となっており、地方自治制度を軽視し、沖縄県民の気持ちを踏みにじる、あまりにも国に偏った判断となっている。

 判決では、公有水面埋立法(公水法)第4条第1項第1号、2号要件など、全面的に国の主張を受け入れており、ことごとく県の主張を退けている。

 例えば、1号要件に関しては、本来であれば緻密に比較衡量を行ったうえで判断しなければならないところ、一方では埋め立ての必要性の中で軍事的な面について踏み込んだ判断を行い、他方では自然環境面については一切考慮しないなど、裁判所がこのような偏頗(へんぱ)な判断を行ったことについては、驚きを禁じ得ない。

 さらに、国地方係争処理委員会(係争委)についても、「係争委の決定は和解において具体的に想定しない内容であったとはいえ、もともと和解において決定内容には意味がないものとしており」と述べ、地方自治法に定める係争処理制度を軽視するなど、1999年に国と地方公共団体は対等・協力の関係であるべきだとして行われた地方自治法の改正の趣旨からもほど遠いものとなっている。

 このような判決は、憲法や地方自治法、公水法の解釈を誤ったものであり、到底受け入れられるものではない。

 裁判所には、法の番人としての役割を期待していたが、政府の追認機関であることが明らかになり、大変失望している。

 埋立承認取り消しは、公水法が求める要件を丁寧に検証した上で行ったものであり、国交相から是正の指示を受けるいわれは全くない。

 今日までの歴史的な状況を含めて、なぜ、沖縄県だけが他の都道府県と異なる形で物事が処理されるのか、一地方自治体の自由・平等・人権・民主主義・民意が、一顧だにされないということが、今日、他の都道府県であり得るのか、大変疑問に思う。

 国と地方公共団体が対等・協力の関係であることを定めた地方自治法においては、国の関与は最小限度でなければならないという基本原則があり、地方自治体の自主性と自律性は尊重されなければならない。

 このような判決は、沖縄県だけの問題にとどまらず、これからの日本の地方自治・民主主義のあり方に困難をもたらすのではないかと、大変、危惧(きぐ)している。

 今後、最高裁判所(最高裁)に上告および上告受理の申し立てを行い、不当な高裁判決の破棄を求めるとともに、憲法で認められた地方自治が本来の役割を果たすことができるよう、力の限りを尽くして訴えてまいりたいと考えている。