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  • 南城市のサキタリ洞遺跡で、 2万3千年前の世界最古の釣り針が出土
  • 旧石器時代に海の幸を取っていたことを示す遺物の発見は日本初
  • 3万~3万5千年以上前にも、沖縄に人類が渡来した可能性がある

 沖縄県立博物館・美術館(田名真之館長)は19日までに、沖縄県南城市の観光施設「ガンガラーの谷」にあるサキタリ洞遺跡で、世界最古となる2万3千年前(後期旧石器時代)の貝製の釣り針を発見したと発表した。同館によると、旧石器人が水産資源を取るための道具の発見は国内で初めて。また今まで発見された人骨や動物遺骸が3万5千~3万年前のものとする分析結果も紹介。旧石器人が同時期に沖縄島に渡来し、継続居住したことを示す成果だとしている。

沖縄県南城市のサキタリ洞遺跡で出土した世界最古となる約2万3千年前の釣り針=17日、那覇市の県立博物館・美術館

約3万年前のものと見られる人骨=17日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館

沖縄県南城市のサキタリ洞遺跡で出土した世界最古となる約2万3千年前の釣り針=17日、那覇市の県立博物館・美術館 約3万年前のものと見られる人骨=17日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館

 出土したのは、ニシキウズ科の巻き貝の底部を割り、磨いて作った小型の釣り針で、幅約14ミリの完成品1点(約2万3千年前)と未完成品の先端部1点(2万3千~1万3千年前)。地表から約1メートルの深さで確認された。

 これまで東ティモールの遺跡で発見された2万3千~1万6千年前の釣り針が世界最古とされてきたが、今回発見された釣り針はそれと同列の世界最古のものだが、保存状態がよく、年代の確実さが高いという。

 同館によると、日本の旧石器時代に、釣り針などの道具を使って漁労活動をしたことを示す遺物は見つかっておらず、今回の発見でその暮らしぶりが初めて明らかになった。

 合わせて、2010年5月に発見された同遺跡の最古の人骨(幼児部分骨)は約3万年前のものだったことや、食料とみられるモクズガニやカワニナ、焼けたシカの化石が約3万5千年前の遺物だったとの検討結果も紹介。沖縄島への人類の渡来が、3万~3万5千年以上前である可能性があると説明した。

 遺跡からは、これまでに約1万4千年前の石英製石器や約2万年前の貝器なども発見されており、同館では遺跡での居住の証拠が約2万年にわたり続いているとしている。同成果は、米国科学協会紀要(PNAS)に掲載される予定。

国内最古の発見相次ぐサキタリ洞遺跡 

 サキタリ洞遺跡では国内最古の発見が相次いでいる。国内最古(2万3千~2万年前、旧石器時代)の貝製のビーズ(装飾品)と道具が発見されたほか、同じ地層から人骨も見つかった。道具と人骨が同じ時代の地層から出土し、人類の活動痕跡が確認された例としても国内最古となった。

 ほかにも、9千年前より古い地層から、埋葬された可能性のある人骨が見つかっている。

 沖縄では旧石器時代の人骨が多く見つかっており、サキタリ洞の近くにある「港川フィッシャー(割れ目)」からは、2万年以上前の化石人骨「港川人」が出土している。