リオデジャネイロ・パラリンピックのウィルチェアー(車いす)ラグビーで、浦添市出身の仲里進選手(39)は銅メダルが決まった瞬間、真っ先にコートへ飛び出した。仲間と長い抱擁で喜びを分かち合い、涙を流した

▼2004年アテネ大会は最下位の8位、08年北京は7位、12年ロンドンは4位。大会のたびに「メダルで沖縄に恩返しする」と口にしてきたが、4大会目で大願をかなえた

▼アテネ前、北中城村の障がい者スポーツ体験で仲里選手らを何度か取材した。子どもたちが車いすに乗って選手と試合をすると、全く歯が立たない。最後は一様に「すごい」と尊敬のまなざしを向けた

▼企画したのは村社会福祉協議会の大城健さん(41)。「『かわいそうな人』ではなく、『すごいアスリート』と感じることで福祉観は変わる」との思いだった。北京前は県勢3選手の資金難を助けようと、会を結成して奔走。時に自腹も切って支えた

▼3位決定戦はテレビで見た。「アテネや北京の時はまだ若く、『自分さえ目立てばいい』感じ。ベテランになり、仲間を気遣って全体を底上げしようというプレーに徹していた」と感慨深げだ

▼県勢計6人が出場したリオ五輪とリオ・パラで、仲里選手は唯一のメダリストになった。つかみ取ったメダルと共に沖縄に帰る仲里選手を、最大の祝福で迎えよう。(磯野直)