「われわれは辺野古移設が日米同盟と米軍の最大の利益になると信じている」

 国が勝利した辺野古違法確認訴訟の判決を米側はどう受け止めているのかと、まだ夜も明け切らぬ早朝に米国務省高官に電話取材を試みた。

 沖縄の民意や基本的人権よりも重要なのは日米同盟と米軍だ、と言わんばかりの発言が開口一番に飛び出たことに驚きながら、もしかしたら判決内容にもこうした認識が反映されているのかもしれないと感じた。

 実際に判決内容を見てみると、新基地建設計画は「日米安全保障条約および日米地位協定に基づくもので、憲法41条に違反するとはいえない」「普天間飛行場が返還されることに照らせば、本件新施設等建設が自治権侵害として、憲法92条に反するとはいえない」と記されている。

 つまり、日米安全保障条約は、国民主権や地方自治を定めた憲法よりも上であり、沖縄を軍事拠点として維持したいという日米両政府の方針の下では、日本は自ら三権分立をも否定する国なのだということだ。

 こうした状況下で新基地建設計画を阻止するには、どう動くべきなのかを考えながら、翁長雄志知事が16日に開いた記者会見をインターネットの動画で見ていると、気になる場面が出てきた。松永和宏弁護士が「われわれは和解を一回、拒絶したんです」と述べている場面だ。

 同弁護士は、和解案をめぐる多見谷寿郎裁判長との舞台裏でのやりとりについて、「国は係争委に行くことを非常に抵抗しているので、係争委に申し出るということであれば、和解の成立は難しい」などと言われた経緯を説明している。

 県が一度は拒絶しかけた和解案を受け入れようと判断した理由は何だったのか。和解は果たして正しい判断だったのだろうか。

 米側は、年内に法廷闘争は終了し、来年3月には新基地建設工事を再開する見通しとのシナリオをすでに描いている。

 日本の司法が行政に従属している現状での最高裁での裁判は、おそらく県にとってより不利な展開となる。対応が再び後手になってはいけない。これまでの対応を徹底検証して敗訴要因を捉え直し、撤回も含めた行動計画を早急に練る必要がある。(平安名純代・米国特約記者)