沖縄科学技術大学院大学(OIST)は19日までに、カーナビなどに応用されている位置予測の機能が、生物の大脳皮質にある頭頂葉の神経回路で発生している証拠を実験から得たと発表した。

沖縄科学技術大学院大学

 脳内のシミュレーション機能といえる働きが起きる場所の究明で、OISTは「脳内機能の乱調を伴う精神疾患の原因究明などへの貢献が期待できる」と意義を説明している。

 人が夜中に暗い部屋で目覚めたとき「ベッドからこれだけ歩いたから、あと何歩でドアがあるはず」と予測しつつ、家具や壁などに触りながら予測を修正してドアにたどり着く作業が位置予測機能に当たる。

 OISTの船水章大研究員、ベアン・クン准教授、銅谷賢治教授の研究チームが実験。マウスの歩みに伴って動く音源がマウスに近づくと、近くの管から砂糖水が出るようにした。

 実験を繰り返すとマウスは学習し、音源が近づくと管をなめるようになった。途中で音を出さない区間を設けても、砂糖水が出る位置が近づくと管をなめる頻度を増やした。

 この結果から、マウスが自分の歩行運動を基に目標の位置を予測していることが判明した。

 これまでに「大脳皮質の神経回路にこの機能があるのではないか」との仮説があったため、マウスの頭頂葉に神経活動を抑制する薬を注入すると、管をなめる行動が増えなくなった。こうした実験結果から、仮説が証明されたとしている。

 研究成果は英科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に19日(日本時間20日)、掲載される。