歌手・パフォーマー 平川美香さん(32)=うるま市出身

 写真の姿のまま、取材場所の銀座に訪れた。世田谷区から電車に乗ってきたというから、驚いた。「恥ずかしさより、人を笑わせ、喜んでもらう楽しみが上回る」と気にならない様子。

「平川のおじさん」姿でポーズを決める平川さん。「素はかわいらしいといわれるんですが」=沖縄タイムス東京支社

 この「平川のおじさん」キャラは定着してきており、広島でのパフォーマンスで「本物に会えたー」と喜ばれた。全身網タイツで歌い踊る「レディ・ブブ」、角刈りはち巻き姿の「八百屋のみっちゃん」、素の平川美香。レパートリーは今後も増やしていくという。

 歌唱力はもちろん、ダンスもそこそこ得意だ。「真面目に歌うので、おっさん姿を見ながら涙を流す人もいる。風景がシュールでしょ」と笑う。ビヨンセの振り付けも手掛けた米国人ダンサーのジョンテ・モーニングとの共演動画はネットで話題となった。

 「自分のブランド、ジャンルを確立したい」。生き残るための模索を続ける。

 人気グループ「HY」のボーカル・仲宗根泉はいとこで、高校時代までユニットを組み、歌っていた。岡山県の大学に進学し教員免許を取得。高校で福祉を教えていた。

 一度は封印した歌の道。あるレゲエ歌手のステージを見て感情を抑えきなくなった。「本心の声をこれ以上隠せない。歌いたい」

 27歳で上京。現実は厳しかった。「君ぐらいの歌を歌える人はいくらでもいる」と相手にされず、渋谷駅で人目もはばからず号泣したこともある。折れかけた心を支えたのは、脳疾患で懸命にリハビリを続ける友人の電話だった。「みーかーの声好きだから、歌って」。受話器越しに泣きながら歌い、誓った。諦めないと。

 自分にできることを突き詰めたのが今のスタイル。「うまくいくかなんて分かんないけど、前へ踏み出すのは自分。難しくても自分の足で進む」。活動は全国規模に広がってきている。(東京報道部・宮城栄作)=連載・アクロス沖縄<21>

 【プロフィル】ひらかわ・みか  1984年、うるま市出身。幼いころから人前で歌い、楽しませることが好きだった。岡山で教員を務めたが歌手への夢を諦めきれず上京。2012年、本格的に活動を始めた。沖縄関係イベントを中心に声が掛かり、活動は全国に広がっている。代表作は「想い唄」。