沖縄本島から東に350キロ以上。隣り合って浮かぶ南北大東島に一つずつある県立診療所に4月、ともに若手医師の夫妻がそれぞれ赴任した。「南」の黒田格(かく)さん(28)=富山県出身=と、「北」の小澤萌(もえ)さん(32)=福井県出身。医者1人の小さな離島で、地域に溶け込み、互いに励まし合いながら、住民の命と向き合っている。(社会部・新垣綾子)

県立16離島診療所の医師のうち、最年少の28歳で住民の命と向き合う黒田格さん=南大東村(本人提供)

70代男性を診察する小澤萌さん。現在の県立離島診療所では、唯一の女性医師だ=北大東村(本人提供)

県立16離島診療所の医師のうち、最年少の28歳で住民の命と向き合う黒田格さん=南大東村(本人提供) 70代男性を診察する小澤萌さん。現在の県立離島診療所では、唯一の女性医師だ=北大東村(本人提供)

 2人は研修医として2013年4月から3年間、県立中部病院で勤務した同期。今年3月に結婚して早々、離れて暮らすが、ともに大学時代に海外で難民支援や医療ボランティアに携わった経験があり、離島・へき地での地域医療を志し、沖縄にやって来た。「夫妻そろってやるならどっぷりつかろう」(格さん)と本島から遠く、総合診療医として幅広い知識や技量が問われる環境を選択した。

 格さんは人口約1400人の南大東島で「地域で支える診療」を肌で感じる毎日だ。重篤な急患の大半は自衛隊のヘリや固定翼機で本島へ搬送するが、出動要請から島にヘリが到着するまで最短でも片道2時間。日ごろから役場職員らでつくる消防団員たちとの連携が不可欠で、高所から転落し、全身を強く打った重傷男性を住民の協力で救ったケースも。