国際自然保護連合(IUCN)主催の第6回世界自然保護会議の取材でハワイを訪れた。大型ハリケーンが接近していたが、オバマ大統領がやってくるというので島には歓迎ムードが漂っていた。

 米首都ワシントンから遠く離れた南の島の開放的な雰囲気のなかで、オバマ氏の側近らと話をする機会を得た。

 米軍普天間飛行場の移設問題に詳しいある側近に、世界自然保護会議で副知事と名護市長が新基地建設反対を訴える予定だと告げると、「彼らは一緒に行動するのか?」と不思議そうな表情を浮かべ、「沖縄県はキャンプ・シュワブの工事を容認したと聞いたが、まだ新基地に反対なのか?」と疑問のまなざしを向けてきた。

 県は8月31日、政府と辺野古代執行訴訟の和解に基づく作業部会で、政府が要望したキャンプ・シュワブ陸上部の隊舎2棟の建て替え工事再開を容認した。その理由について、作業部会に出席した安慶田光男副知事は「隊舎は埋め立て区域外と認識している。防衛省からは老朽化した隊舎の建て替えで、全く埋め立てと関係ないという話だった」などと説明している。

 オバマ氏の側近に、県は陸上部工事の再開は埋め立てとは関係ないと説明していると告げると、「計画と無関係であれば、日本政府はなぜあの場で要請したのか」と逆に問いを向けてきた。

 東村高江のヘリパッド建設を含む北部訓練場の統合整理が進み、嘉手納より南の返還計画を巡る協議も具体化。そして陸上部工事再開で辺野古移設に向けた環境も整えられつつある、と楽観的に語る姿は、沖縄の緊迫した状況などまったく意に介していないように映る。

 果たして陸上工事の再開は辺野古移設と関連はないのだろうか。

 米海兵隊は「戦略展望2025」の中で、新基地建設後の環境について、訓練場所と住居が一体化した利便性の高いコミュニティーへ変容すると強調している。

 翁長雄志知事は「辺野古の海にも陸にも新しい基地は造らせない」と公約を掲げている名護市の稲嶺市長に対し、容認の理由をどう説明したのだろう。翁長知事には隊舎の工事を容認した根拠を明確に説明する責任がある。(平安名純代・米国特約記者)