旅行や出張で行く海外で、日本語通訳の存在は大きい。不案内な現地の事をガイドしてくれ、質問にも答えてくれる。言葉が通じない人にとっては安心感がある

▼事故や病気で病院に入院した時はなおさらだろう。気分はどうなのか、どこがどのように痛むのか、医師や看護師とのコミュニケーションはすべて通訳を介して行われる。通訳の必要性を痛感する瞬間だ

▼外国人観光客や沖縄に住む外国人も同じ。3カ国語3人の通訳を配置し、外国人でも安心して受診できる体制が整っている病院として先月、南部徳洲会病院が県内で初めて認証機関から認められた

▼手術などの高度な医療行為を伴う場合、医師の説明をきちんと外国人の患者に伝えるためには、高いレベルの医療知識と語学力が要求される医療通訳者が欠かせない。単に語学ができればいい、とはならない

▼昨年、観光で来た台湾人透析患者の中国語通訳を経験した城間宇恵さん(45)は「専門用語を的確に伝えられた。間違った通訳をしたら命にかかわる。ベースになるのは人材」と強調する

▼県は医療通訳養成講座を開いているが、修了してもボランティアとしての活動にとどまり、緊急時の対応にはハードルが高い。外国人居住者や観光客は増えており、万が一のときに彼らが安心できる医療体制の整備は急務だ。(玉寄興也)