うるま市教育委員会(栄門忠光教育長)は26日、勝連城跡の発掘調査で、ローマ帝国とオスマン帝国の金属製の貨幣(コイン)計5点が出土したと発表した。4点は3~4世紀のローマ帝国、1点は17世紀のオスマン帝国で製造された貨幣であることが判明。市教委によるとローマ、オスマン帝国貨幣の出土は国内初という。今後、勝連城跡の東アジアや西洋を視野に入れた交流を考える上で、重要な資料としている。

平成25年度の勝連城跡調査で出土したオスマン帝国のスレイマン2世の時代のものと推測されるコイン(資料№4)=26日午後、うるま市役所

平成25年度の勝連城跡調査で出土したローマ帝国コンスタンティウス・ガルス等の共同統治時代のものと推測されるコイン(資料№8)=26日午後、うるま市役所

平成25年度の勝連城跡調査で出土したオスマン帝国のスレイマン2世の時代のものと推測されるコイン(資料№4)=26日午後、うるま市役所 平成25年度の勝連城跡調査で出土したローマ帝国コンスタンティウス・ガルス等の共同統治時代のものと推測されるコイン(資料№8)=26日午後、うるま市役所

 報告された貨幣状の出土遺物は計10点で、すべて鍛造たんぞう(金属をたたいて成形する方法)製の銅貨。2013年度に実施した城跡南東側に位置する場所(四の曲輪東区)の遺構調査で確認された。

 専門家や文献による検討を踏まえ、10点中4点はローマ帝国、1点はオスマン帝国の貨幣であることが判明した。そのうち、2点のローマ帝国貨幣は推定14~15世紀、1点のオスマン帝国貨幣は推定17世紀の地層から確認されている。

 大きさは、最大で直径約2センチ、最小で直径約1・6センチ。分析の結果、表面にはローマ文字やアラビア文字、コンスタンティヌス1世の肖像などがあしらわれているとしている。

 市教委は、国内で同時代の遺跡からローマ、オスマン帝国の貨幣が確認されるのは初のケースだろうと説明。勝連城跡にかかわる何らかの人物が、交易や交流などにより東アジア世界を経由して入手された可能性があるとして、今後経路の検討作業を進める予定。

 会見に同席した同市の島袋俊夫市長は「西洋世界に関わる資料は、現在まで県内で発見されていない。琉球史と日本史のみならず、世界史研究全般の進展に大きく寄与する重要な発見だ」と意義を強調した。

 市教委は11月25日まで、市立与那城歴史民俗資料館で「2016年度 発掘調査速報展」(主催・同市教委)を開催し今回の出土資料を紹介している。問い合わせは同資料館、電話098(978)3149。