千年以上の時を超えてローマ帝国のコインはどうやって沖縄にたどり着いたのか。「ロマンが広がった」「阿麻和利(あまわり)の活躍と関係があるのか」「観光資源にもつながる」。世界遺産の勝連城跡からローマ帝国とオスマン帝国期のコインが出土し、地元の自治会や観光、教育関係者からは喜びの声や、10代目城主の阿麻和利との関連の解明を期待する声も上がった。

世界遺産の勝連城跡

勝連城跡から国内初のローマ帝国コインとオスマン帝国コインが出土したと発表する(右から)大城剛文化課長、栄門忠光教育長、島袋俊夫市長=26日午後、うるま市役所

世界遺産の勝連城跡 勝連城跡から国内初のローマ帝国コインとオスマン帝国コインが出土したと発表する(右から)大城剛文化課長、栄門忠光教育長、島袋俊夫市長=26日午後、うるま市役所

 うるま市観光物産協会の伊佐盛男理事長(55)は、新たな発見に「大変喜ばしいこと」と声を弾ませた。「ロマンのある話。アジアとの交易は知られているが、西洋と何らかのつながりがあった可能性に思いをはせるだけでも楽しい」と新たな観光資源になることを期待。さらに「どういう経緯でここに来たのか。西洋との交流があったのか」と今後の解明を望んだ。

 「とても驚いた。興奮している」。勝連城跡のガイドを手掛けるうるま市史跡ガイドの会顧問の仲村春吉さん(74)は26日、市役所の会見場に駆け付けた。「阿麻和利の活躍の延長上にあるのではないか。勝連城跡の歴史ロマンがますます広がる」と目を細める。さらに解明が進めば、学校教育での活用も期待できるとし「子どもたちに勝連城跡を誇りにしてほしい」と話した。

 「区民があらためて城跡に関心を持つきっかけにもなる」と話すのは、勝連城跡がある市勝連南風原の牧門司自治会長(37)。地域活性化の起爆剤にもなると期待しながら、「地元の区民がもっと興味を持つことが大事。観光資源にもつなげられたら」と喜んだ。

 うるま市教育委員会の栄門忠光教育長は、西洋との交易があった可能性が出たことで「子どもたちに夢とロマンを感じてほしい」と笑顔をみせた。貴重な発見が教育面でも弾みになると言い、「足元の文化を大事にしてほしい」とも述べた。

貴重な史料に高い関心

 うるま市役所で26日に行われた勝連城跡、発掘調査結果の発表会見には、約20人の報道関係者だけでなく、観光客らに勝連城跡を案内している史跡ガイドのメンバーも詰め掛け、説明に熱心に聴き入った。

 会見では記者が配布資料を目にしながら市の担当者の説明に質問を繰り返した。正面に並べられた貨幣状の出土遺物計10点を史跡ガイドと交代で撮影する姿もあり貴重なコインに高い関心を寄せていた。

 【勝連城跡】 沖縄県うるま市にあり、1972年に国史跡に指定された。12~13世紀に地域の豪族によって築城され、14~15世紀には海外交易で栄えた。琉球王国が沖縄全体を治めていく過程で、1458年に10代目城主の阿麻和利(あまわり)が王府軍に敗れ、廃城した。その後、17世紀ごろまで地域の人々が利用していたとされるが、詳細は不明。