勝連城跡からローマ帝国のコインが出土した。「予想外の発見だ」。研究者からも驚きの声が上がり、交易があった中国大陸や東南アジアを経由しもたらされた可能性を指摘している。

勝連城跡 世界遺産

 コインが出土したのは14~15世紀の地層で、当時の沖縄は琉球王国の成立前後に当たる。日本や中国、東南アジアとの中継貿易で繁栄し、勝連城が栄えた時期とも一致する。

 沖縄国際大の宮城弘樹講師(考古学)は入手先として、中国・泉州を候補に挙げる。マルコ・ポーロの「東方見聞録」にも登場する当時の国際港湾都市で「沖縄の商人が訪れ、珍しい西洋の文物に接して持ち帰ったのではないか」と話す。

 一方、早稲田大中央ユーラシア歴史文化研究所の四日市康博研究員(東西交流史)は、東南アジア経由を指摘。8~10世紀ごろのタイやベトナムの遺跡でも出土例があるといい「ローマからインド、東南アジアを通って、沖縄に着いたのではないか」と推測した。

 今回見つかったオスマン帝国のコインの謎も大きい。スレイマン2世の治世の1687年に発行されたと考えられ、帝国が領土を拡大し、周辺の国々に強い影響力を持っていた時代だ。

 宮城講師、四日市研究員はともに「帝国の拠点があったインドネシアのアチェ王国で入手した」との見方を示す。ただ勝連城は15世紀末には廃城となっており、四日市研究員は「なぜここに残ったのか、出土状況を含めて慎重に検討すべきだ」とも話している。

 勝連城跡 うるま市にあり、1972年に国史跡に指定された。12~13世紀に地域の豪族によって築城され、14~15世紀には海外交易で栄えた。琉球王国が沖縄全体を治めていく過程で、1458年に10代目城主の阿麻和利(あまわり)が王府軍に敗れ、廃城した。その後、17世紀ごろまで地域の人々が利用していたとされるが、詳細は不明。