2013年8月の米軍HH60救難ヘリ墜落事故を巡り、事故原因が究明されないまま同型機の飛行を再開する方針を発表した嘉手納基地司令官に対し、沖縄防衛局長がその日のうちに「理解できる」とする文書を送っていたことが、27日までに分かった。県や地元市町村が原因究明まで飛行停止を求める中、地元と米軍の“調整役”であるはずの日本政府がすぐさま米軍方針を容認していた。(社会部・篠原知恵)

 調査団体「インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)」の河村雅美代表が情報開示請求で日米間の内部文書を入手した。河村氏は、今月22日に墜落したハリアーの飛行再開に関しても「沖縄側の意思を無視した形で、日本政府が即座に飛行再開を容認しかねない」と警鐘を鳴らした。

 米軍は13年8月14日午後2時半ごろ、事故原因は「調査中」としつつ、飛行再開を公式に発表した。これを受け、防衛局長は14日付文書で司令官に「日本政府として再開は理解できる」と明言。米軍側が「安全性を確認」としたことに加え「同型機がわが国で果たしうる役割の重要性」を総合勘案したことを理由にした。

 一方で「他方」と前置きした上で、墜落事故で「地元の不安が高まっている」と言及したが、県や地元自治体の求める「事故原因究明までの飛行停止」には触れず、原因究明と調査結果の「情報提供」を求めるにとどめていた。

 末尾は「日米防衛当局は長い期間、信頼関係を築いてきた。今後とも信頼関係を継続するための努力を傾注する」と結んでいる。

 小野寺五典防衛相(当時)は翌15日の記者会見で、飛行再開方針に理解を表明。原因究明までの飛行停止を要請していた事故発生直後の立場を一転させていた。原因究明前の飛行再開に、仲井真弘多知事(同)は「民間機であればそうしない。原理的におかしい」と疑問を呈していた。

 22日のハリアー墜落事故でも、翁長雄志知事や地元市町村は原因究明までの飛行停止を求めている。

 HH60ヘリ墜落事故は13年8月5日、宜野座村の米軍キャンプ・ハンセン内で発生。乗員4人のうち1人が死亡した。