米海兵隊の垂直離着陸機オスプレイが米軍普天間飛行場に配備されてから1日で4年。宜野湾市周辺にとどまらず、本島北部でも騒音の被害が相次いでいる。怒る住民の中には、全基地撤去を訴える人もいる。

普天間飛行場から離陸するオスプレイ=2015年5月、宜野湾市

渡嘉敷健准教授

普天間飛行場から離陸するオスプレイ=2015年5月、宜野湾市 渡嘉敷健准教授

■心臓揺する音「こたえる」

 【宜野湾】「もう4年か…、すっかり慣らされてしまいましたね」。宜野湾市上大謝名自治会の大城ちえ子会長はため息をついた。

 配備前に飛んでいたCH46ヘリは何度も基地周辺で旋回を繰り返したが、オスプレイはこうした飛び方はほとんどしない。その分、全体の飛行回数は一定程度減っただろうとは感じる。

 だが4年前、オスプレイを見て感じた「不安定な飛び方」への不安は、最近のハリアー墜落のようなことが起こるたび思い出される。「それと、心臓が揺すられるようなあの騒音。あれが一番こたえる」。そう言って胸をかきむしった。

■「一番うるさい」子ら体感

 【東】新たなヘリパッド建設で、オスプレイの騒音激化が懸念される東村。琉球大学の渡嘉敷健准教授が4月、村内小中学校の児童・生徒94人に行ったアンケートでは77人が「他の航空機よりオスプレイがうるさい」と回答した。

 「家の中にいると、ガラス窓の振動がすごいことに気付いた」。高江の仲嶺久美子区長は、オスプレイが既存のヘリパッドに初飛来した当時をこう振り返る。

 「今年は深夜訓練がひどく、四つのヘリパッドが造られたら騒音増が確実。オスプレイが当たり前のように飛ぶことがあってほしくない」と切に願った。

■深夜飛行 基地全廃訴える

 【宜野座】「何度抗議しても、無視されてばからしくなるくらい」。宜野座村城原区の崎濱秀正区長は昨年の区長就任以降3回、前区長からだと計12回、沖縄防衛局に騒音被害で抗議した。区の2015年度の騒音測定回数(60デシベル以上)が8098回で、14年度から約1・6倍に増えた。

 キャンプ・ハンセンのヘリパッドから約380メートルの泉忠信さん(86)宅は7月、オスプレイ4機が真上を午後10時以降も飛行し、100デシベル以上を5回計測。「日本が税金を払って米軍が被害をまき散らしている。こんなばかな話はない」と憤り、全基地撤去を訴える。

■騒音被害 北部も深刻 渡嘉敷健琉大准教授(環境工学・騒音)

 オスプレイの騒音被害は普天間飛行場の周辺にとどまらず、本島北部の各地に及び、4年でその深刻な状況が浮かび上がってきた。

 ところが安倍晋三首相は、29日の参院本会議で「北部訓練場周辺の騒音は政府として継続的な把握に努めており、環境基準を満足している」と答弁した。

 高江では夜間の騒音も確認されている。アンケートでは、騒音による悪影響も表れた。未開拓の領域だが、低周波音による人体への影響も懸念される。特に子どもや病人など、弱い人たちが心配だ。

 にもかかわらず「何の問題もない」と言わんばかりの姿勢は無責任だ。発言の根拠が疑われる。ヘリモードでどこへでも飛ぶオスプレイの騒音は、固定された測定機だけでは測れない。政府は住民の声に耳を傾けながら真剣に対策を考えてほしい。(談)