「どんどん増えて、最近では1兆(丁)、2兆(丁)、3兆(丁)と。お豆腐屋さんじゃないんであります」。東京都の小池百合子知事が、膨らむ東京五輪の予算をやゆした言葉が現実になりつつある

▼都調査チームは報告書で五輪経費が当初の7340億円から3兆円を超える可能性を指摘。コスト削減のため、3競技会場の規模縮小や代替地の検討をうながした

▼招致活動の段階では、既存施設の活用や開催費用を圧縮した「コンパクト五輪」、東日本大震災からの復興を支援する「復興五輪」の理念を掲げていた。ボートなどの会場に被災地の宮城県を提案したのは理念にも沿う

▼新国立競技場設計やエンブレムでは最初の作品が白紙撤回に追い込まれ、再公募で決まった経緯がある。ほかの施設建設や体制のあり方についても見直しは可能ではないだろうか

▼大会組織委や国、都の役割分担がいまだに見えない現状のままだと、五輪予算は歯止めがきかなくなるだろう。豆腐なら売った分の利益は見込めるが、五輪予算は税金だ。最終的なツケは納税者にのしかかってくる

▼報告書は「社長や財務部長がいない会社と同じ」とも批判。関係者は縄張り争いや足の引っ張り合いをするのではなく、司令塔を決めた上で責任の所在をはっきりさせ、予算の一元的な管理を目指すべきだ。(玉寄興也)