農家に栽培方法や経営を指導する営農指導員について、JAおきなわ(大城勉理事長)が2016年度から、資質向上への取り組みを本格化させている。12年度から開かれている技能強化研修の対象を、従来の希望者から全員へ拡大。現地検討会も含め、より実践的な内容にした。研修で学んでいる「土壌に合った生産物作り」を収量増や農家の所得向上へつなげようと、指導員の意識も高まってきた。(政経部・又吉嘉例)

ビワの葉の色と、土壌の酸性度の関係性を営農指導員へ教える武田健技術顧問(手前左から2人目)=9月20日、うるま市石川山城

 20日、うるま市内のビワ畑。「病害虫の多い、少ないは土壌のPH(酸性度)で変わる」。同JAが熊本県から招いている武田健技術顧問が、土の養分量を反映するという葉色を示しながら説明した。JA中部地区営農振興センターの指導員や農家ら約10人が真剣な表情で耳を傾けた。

 武田氏は土壌環境を整えることで病害虫を未然に防ぐ「予防農業」を提唱。4年前から月1回ペースで来県し、指導員研修の講師を務めている。予防農業を導入した近隣のビワ畑では今年、病害虫による果実の廃棄量が前年に比べ1割以下になったという。

 この日の研修先だったビワ農家の大城笑美さん(65)は「最初はPHとか、意味が分からなかった」。かつてはJAが出した土壌診断結果書を、そのままごみ箱に捨てていた。だが、昨年からは指導員の変化を感じる。「土に合う肥料の種類と量まで教えてくれるようになった。今年は全然虫が来なかった」と喜ぶ。